ご注文の家具の製作工程上の都合などでどうしても手が開いてしまう時間がある場合、定番的な小物類の製作を副次的に併行して行うことがあります。今回はペーパーウェイトDタイプの木取をしました。この製品は仕上がりの長さが180mmということもあって、その分ふつうの一般的な材料ではない、ちょっと変わった特殊な材料を使うことが基本です。そうでないとサイズが小さくシンプルな形なために、ただの端材のように思われかねません。
写真は今回木取りした材料の一部ですが、左からスーヤ-バール、マスール-バーチ、黄檗(きはだ)の縮杢+スポルト、黄檗の縮杢+しわ杢、オニグルミの泡杢、シャムガキです。前の4種類の材料は、ペーパーウェイト以外の製品も含めても当工房では今回初めて使用する材料です。単価的にも非常に高く、また稀にしか産出しないものなのでおそるおそるの加工です。
一次下拵を終えただけの素木でもこれだけの紋様が出ているので、鏡面塗装で仕上げるとすごいものになりそうです。ただしこうした変わった材料は通常の材料よりも安定性に欠けることが多く、これまでの実績でも木取した材料の1〜2割くらいは割れや歪みや内部の傷・変色・腐れなどにより途中もしくは最終的にボツになることがあります。