ふりしぼり乾かしつつ初日の出
東北の日本海側に住んでいると、夜明けの太陽が海から上がるのを目にすることはまずない。私の現在地からは朝日はいつでも鳥海山またはその南側に連なる出羽山地から昇り、夕陽は日本海に沈む。いや厳密にいえば沈むのは庄内平野と日本海との間にある標高50m前後の庄内砂丘にである。ただ、用があって海際に出かけることもしばしばあり、海に夕陽が沈む光景もべつだん珍しいわけではない。/理屈の上では太平洋側は朝日・夕日と、山・海との関係はこちらとは反対になることはすぐわかるが、実際に自分の目で海から昇る朝日を眺めたときは、なんだかとても違和感があったな。
除雪車の三台一組二日かな
道路に積もった雪は、通常であればまずホイールローダーが脇に寄せ、寄せきれなくなるとその路肩に積もった雪をロータリー車が路外に吹き飛ばす。しかし路面に固着凍結した雪氷はホイールローダーではきれいに取り除くことが困難なので、その場合はモーターグレーダーが平らに削り取るし、市街地などでロータリー車が吹き飛ばすだけの余地がない場合は、ダンプカーがすぐ後ろについてロータリー車のシュートでじかにダンプカーの荷台に雪を積み込む。/なにしろ車社会なので、道路の除雪をすばやくうまくやらないと仕事や通勤・通学や買い物にもたいへんな支障をきたす。したがって降雪の多さが予想される場合は、除雪車は夜中2時頃から出動することがあるというし、むろん日曜日も祝日も正月気分も返上である。
救急車またもや奔る三日なり
正月早々から救急車がサイレンを鳴らしながら走る音がする。酒を飲み過ぎたか、餅を喉に詰まらせたか、はたまた雪かきで怪我をしたか。先の除雪車のオペレーターと同様に、救急隊員は出動要請があればいつなんどきでも走らなければならないわけで、まことにご苦労なことであり、ありがたいことである。私自身も正月ではなかったが10年ほど前の冬に急病で救急車の世話になったことがある。凍てつく道を市立病院まで搬送してもらったのだが、重篤な腸閉塞だったから救急車の助けがなければ死んでしまったかもしれない。/ところで正月とか5月の連休時、お盆などは救急隊員とてできれば休みたいだろうが、どうやって当番・非番を決めているのだろうか。不平不満が出ないように否応無しの機械的なシフトだろうかね。
(※ 写真は常緑高木のクスノキ科タブノキの実。毒ではないが苦みが強く、食用にはならない。)