コーヒーブレーク 36 「平行宇宙」

 

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寒月や平行宇宙よりのぞき窓

この現実とは別にもうひとつの別の現実があるかもしれない、つまりいまわれわれがいるこの宇宙をそっくり反転したような平行な宇宙(パラレル-ワールド)があるかもしれない。というアイデアは単にSF的空想ではなく、宇宙物理学としてまじめにその理論的可能性が探られている。平行宇宙論は複数の宇宙があるとする多元宇宙論のひとつであるが、残念ながら実験によって検証することは論理的に不可能。もちろんそんなものはないという反証も不可能なので、どこまでいってもそれこそ議論は平行線をたどるであろう。宇宙が平行であろうと多元的であろうと、われわれの日常世界には直接的にはまったく関係はないし、人類の過去と未来にも無関係だろう。しかし、人間がそのような宇宙論を思考する、思考することができるということはやはり驚きではある。

 大船にのり冬至南瓜の来たりけり

先日の日曜日、妻が仕事で遅くなるというので、子どもといっしょにライスカレーを作った。ただしタマネギをきつね色になるまで炒めて、といった面倒くさいことはやってられないし、そのこってりした味もとくに好みではない。それで、野菜(タマネギ、ニンジン)を細かく刻みあるいは粗く擂り、鳥のひき肉といり卵を大きめの鍋に入れてゆでる。ジャガイモではなく今回はカボチャも大きく切って入れた。要するにカレーの具はなんでもオーケーなので、定番のタマネギ+ニンジン+ジャガイモ+肉である必要性はどこにもない。サツマイモやダイコンのブロックもいけます。カレールウはいま評判の「遊佐カレー」で、へんな調味料や添加物がいっさい入っていないので、さっぱりした飽きのこないカレーに仕上がった。

あたたかく勢いませり冬の泉

このブログでもたびたび、鳥海山の胴腹ノ滝をはじめとする湧水(湧泉)のことを取り上げているが、一般的なイメージの主流である「冷たい湧水」は実際には半分しか当たっていない。半分は外れである。冷たいか温かいかは相対的なもので、たいていは周囲の気温との比較だ。4〜11月頃の外気温が湧水より高いときは湧水は冷たく感じられ、12〜3月頃の外気温が湧水より低い場合は湧水は温かく感じられる。「温かい湧水」というと一般的にはなじみが薄く奇異に感じられるかもしれないが、実際に厳冬期に湧泉をたずねるとその水の温かさは感動的ですらある。湧水自体はせいぜい8℃くらいであったとしても、なにしろときに10〜15℃ほども気温より温度が高いのである。湧泉の調査などで雪氷でかじかんだ指を湧水にひたすと生き返ったような思いになる。/俳句では「泉」や「清水」は夏の季語とされている。たしかに多くの人にとって無理からぬこととはいえ、これひとつをとってもいかに俳人が実際の自然をさほど体験しておらず、頭だけで句を作っているかがわかる。

 

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