市販テーブルの手直し

 

酒田市内の某宅のドアを作り替えることになり、その打ち合わせに伺った際に気になったテーブルを手直しすることになりました。材料がウォールナットの無垢材なのはいいのですが、脚と甲板は金属プレートを介してボルトで接合しているだけですし、甲板は薄いわりには幕板がなく、反り止めを兼ねた横架材2本が甲板裏に木ネジで止めてあるだけ。

店舗で展示販売されていたものに対し、甲板の大きさと脚の長さはすこし希望で詰めてもらったそうです。つまりセミオーダーというわけですが、全体のバランスがよくありません。指物としての本格的な作りではないのは市販量産品ではしかたがないのですが、標準サイズに対しお客様の希望されるサイズが大きく違った場合は、本来であれば脚の太さとか甲板の厚さなど全体を見直すべきです。それをまったくしないでただ寸詰めをしただけでは当然デザインバランスが崩れてしまいます。

当工房に持ち帰っての手直しですが、根本的な改変は無理なので、お客様がいちばん気にされていた(不満をもたれていた)甲板の縁や脚の4片などを、体が当たっても痛くないようにもっと大きな丸面にしました。甲板の高さも、同じくセミオーダーされた椅子の座面の高さとマッチしないため、さらに40mm切り詰めました。まあ無垢材だからこそできることで、これが合板などだったらお手上げです。

ちょっとわかりづらいとは思いますが、写真上は手を加える前のもので、下2枚は甲板の縁と角、脚の4片に大きめの丸面を施した後のものです。見てくれはともかく、使い勝手としてはかなり改善されたと思います。

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