長き夜のモールス信号となる車列
正しくはモールス符号(Morse code)といい、長・短の符号のみで符号化された文字コードのこと。19世紀半ばに国際規格として制定された。基本的な仕組みとしては非常に単純なことから電信だけでなく音響や発光信号にも応用されている。無線電話やデータ通信が不可能な環境でも最低限度の通信を行うことができるので、電子機器などが高度に発達した現在でも、モールス符号はきわめて限定的ではあるが依然として使用されているのはそのため。
冷まじやK2絶頂より貝の骨
世界でいちばん高い山は言わずと知れたエベレストである。チベット語ではチョモランマ、ネパール語ではサガルマータで、標高は8850m。では世界で2番目に高い山はと問われ、K2(ケィ-ツゥー)と即答できる人はかなり少ないだろう。Kはカラコルム山脈の略で、2は正式に測量する前のとりあえずの記号でしかなかったのだが、計ってみたら8611mで、なんとエベレストに次ぐ世界第2位の高峰だった。偶然とはいえじつにすばらしい。K2にはゴドウィン-オースチンなる別名もあることはあるのだが、あまりにも野暮ったいこともあってほとんど口にされることはない。鋭く尖った風貌といい、その難攻不落ぶりといいK2こそがふさわしい名前というべきであろう。ちなみに初登頂は1954年で、これまでの挑戦者は300名余、死亡率はなんと23%におよぶとか。魔の山といわれるのもむべなるかなである。
クラスター爆弾となりぬ柿たわわ
ここ庄内地方でも、枝が折れんばかりにたくさんの実がなった柿の木をよくみかける。多くは庄内柿とよばれるやや扁平の渋柿であるが、柿以外にも多種多様かつ内外の果物が簡単に入手できるようになったためか、いまは柿はあまり人気がないらしい。渋みがあってすぐそのままでは食すことができないことも拍車をかけていると思うが、誰も採らないまま過熟してやがて地面に落ちて腐っている姿も珍しくない。果物や菓子類が乏しかった昔ではおよそありえなかった光景だ。/「クラスター」は実や花の房、塊、群れや集団など、同質のものがたくさん集まっている状態を意味する言葉。クラスター爆弾の場合は、ひとつの爆弾に多数の子爆弾が内包されており、投下された爆弾が爆撃対象近くで自動的に多数の子爆弾に分かれて、一度に広範囲にたくさんの物や人を破壊する。子爆弾に分裂する仕組みのためか不発弾となる割合も少なくなく、投下直後のみならず後々まで惨禍をもたらすことがある。
(※ 写真は月光川本流を遡上するサケの群れ。川床から湧水が出ているような場所で自然産卵・放精するが、 その後ほどなく死んでしまう。)