超仕上鉋盤の刃のケース

 

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当工房には丸仲鉄工所製の古い超仕上鉋盤があります。約30年前に工房を開設しその後1年ほど経って、出入りの木工機械屋さんが「中古の出物があったから」と言って持ってきたものです。運搬設置費込みで12万くらいしたと思いますが、最大250mm幅まで機械で仕上げ削りができるのは非常に魅力的でした。(刃のセット角度90度の場合。)

通常の自動鉋盤または手押鉋盤は円柱状の鉋胴に2枚または3枚の刃を仕込んだもので、その鉋胴がモーターの力で高速回転することで材料をすこしずつ削っていきます。したがっていくら切れのいい刃であっても多少なりとも波状の削り肌になるわけで、そのままでは仕上面には使えません。

それに対し超仕上鉋盤は、定盤に固定された刃に対して材料をベルトで送って削るので、原理的には手鉋で材料を削るのと同じです。むしろ刃の幅が手鉋よりずっと広いので刃の段差が刻まれることもないし、一定の圧力と速さで材料を削るので非常にきれいに削ることができます。逆目もたちにくいです。ただし削ろうとする材料自体が基本的に平面・通直でないとうまく削れませんし、当然刃の幅より広いものは削れません。その点は多少の反りやねじれ、幅広の板であっても臨機応変に削ることの可能な手鉋とは違います。

手順としてはまず自動鉋盤で一定の厚さと平面を出した材料を、ロールの跡などの凹みや傷を水を引いて膨らませ、乾いたらそれを一枚ずつ超仕上鉋盤にかけます。比較的幅がせまく、また数が多い場合は、手鉋で削るのとは比べものにならないほど短時間かつ少ない労力で材料を仕上げることができます。

この超仕上鉋盤用の刃はつごう3枚もっているのですが、専門の研磨店に出すときは最初に買ったときに入っていたボール紙のパッケージに入れて渡します。ところが後から追加で購入した刃でも十数年経つので、いいかげんそのパッケージがぼろぼろになってきました。このままではせっかく研いだ刃が傷つくおそれも大きいし、見た目にもちょっと恥ずかしい。

そこで専用の入れものを自作しました。材料はベイヒバで、8×60×232mmの大きさの刃を、一枚ずつ個別に余裕をもって収納できる大きさにしました。蓋は箸入れのようなスライド式です。写真の下が外観で、上が蓋をとって中に刃を入れたところです(研ぎ上がったものを実際に中に入れるときは紙に包んでから入れます)。

数年来の課題がひとつ解決しました。これで安心して研磨依頼と保管をすることができます。

 

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