バイカモ&ハマゴウ

 

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地元の高校の「湧水に関するフィールドワーク」の授業の下見で、鳥海山の西側の裾野の湧泉を下見しました(いちおう私は非常勤講師です)。1、2枚目の写真は牛渡川のバイカモ(梅花藻)ですが、湧水100%の清冽な流れにそよぐ群落がじつに美しくみごとです。白い五片花は水上だけでなく水中でも咲いています。透明な水ならではの光景。キンポウゲ科キンポウゲ属の沈水性多年草。

子どもの頃はこのバイカモをキンギョモ(金魚藻)と呼んでいましたが、ほんとうはバイカモが育つほど水がきれいで、つまり栄養分の少ないしかも10〜15℃程度の冷たい水では、フナやコイやキンギョはうまく育たないのでミスマッチなのです。そう誤認するほど昔は町内のあらゆる川や堰や用水にバイカモがごく普通に繁茂していたという証左ではありますが。

3枚目は「浜湧水」で最近とみに有名な釜磯の、砂浜の一画に咲くハマゴウです。乾燥地に生息する植物に特徴的な、厚みがあり比較的硬目の葉が目につきますが、芳香のある青紫色の花もたいそうきれいです。シソ科ハマゴウ属の常緑矮性低木で典型的な海浜植物ですが、一大群落を成しているのは私が知っている限りではこの釜磯だけかもしれません。

海浜植物は乾燥や強風、直射日光・塩害・風砂による埋没など、数々の脅威にさらされる過酷な環境に生きている植物なので、高山植物と同様に非常に個性的でおもしろい植物が多いです。しかも鳥海山の場合は山裾が海底までのびているので、ひとつの山で海浜植物から湧水に依存する植物、高山植物までを一度にみることができるという全国的にみても非常に稀な山です。地元の人はそのことをほとんど認識してませんけどね。

 

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