建築リフォーム工事と併行して注文家具の戸棚を作っているのですが、材料はアメリカン-ブラック-ウォールナットです。名前のとおり北米産の濃色のクルミの仲間ですが、略してふつうウォールナットとよばれています。その材料を木取していたところ、木端の切断面になにやら光るものが。直径1.5mmほどの鈍い銀色。よく見ると他にもいくつ同様のくぼみがあるし、切断したノコ刃のほうにはとくに刃こぼれなどはないようなので、材質的には鉄ではなく鉛のように思います。つまりこれは散弾銃の弾が樹肌に食い込んだものでしょうね。
材料の表面や白太の部分ではなく、赤味の部分の所に入っていたので、散弾銃の弾を巻き込んだままその後も長く成長したと思われます。大部分は弾は脱落してしまい傷跡だけを残したようですが、その食い込んだ弾のまわりは若干変色しています。
ウォールナットはわりあい人里に近いところに生えているか、用材目的で人為的に植栽されているものなので、猟銃で鳥などを撃った際にその弾が木肌に突き刺さることがたまにあるようです。小さな鉛の粒だからまだいいのですが、まれに太い釘などが残っていることがあり、その場合は製材などのノコ刃が一発でだめになってしまいます。
ウォールナットではありませんが、ずっと昔に国産のオニグルミかクリだったかを丸太で購入し製材に立ち会ったときに、運悪く太い釘を挽いてしまい、すぐに機械を止めて刃を新しいのに交換したことがありました。オペレーターは「これでもう赤字だな〜」とぼやくことしきり。そうでなくとも、どんな樹であっても立ち木にじかに釘などを打ち込むのは厳禁です。