※※ タイトルの入力が先日来うまくいかないので(ブログソフトのバグ?)、とうぶんの間「タイトルなし」とし、本文冒頭に見出しをすこし大きく付けることで代用とします。
オオイヌノフグリ
彼岸を過ぎて、夜間はともかく晴れた日の日中は汗ばむほどの陽気です。野原や田圃の土手など日がよく当たるところにはいまたくさんの瑠璃色の小さな花が咲いています。オオイヌノフグリという花です。
オオイヌノフグリは漢字で書くと「大犬の陰嚢」。じつにもってへんてこな名前ですが、実の形が犬の陰嚢を連想させるからとのこと。図鑑などであらためてその実の形をみてみると 「まあ、そういえなくもない」とは思いますが、きっと命名した学者は短毛種の雄犬をかわいがっていたのかも、ですね。
オオバコ科クワガタソウ属の2年草で(Veronica persica)、原産はユーラシア、アフリカ。日本には明治初期に渡来したとみられています。今ではすっかり全国に広がり、春の野草として名前は知らないまでも一般になじみの深い花となっています。同じく外来種でタチイヌノフグリというのもありますが、日本産のイヌノフグリは圧迫されてしまいました。私もイヌノフグリの実物はまだ見たことがありません。ちなみにオオイヌノフグリは「イヌノフグリの大きいもの」という意で、「大きい犬の〜」ではありません。英語ではBird’s-eye(鳥の目)、Persian speedwellなどと呼ばれているとか。
花の大きさは径8〜10mm程度とあまり大きくはありませんが、日が当たっているときだけ開くという青い花はたいへん魅力的です。ただこの花は開花して以降、午後くらいにはぽろっと落ちてしまうという非常に短命の花なのですが(英名のspeedwellはその意味でしょうかね)、上の写真のように群生することが多くよく晴れた日に見かけることがふつうなので、落花のわびしさはとくに感じないかもしれません(気づかれないだけ?)。