※※ タイトルの入力が先日来うまくいかないので(ブログソフトのバグ?)、とうぶんの間「タイトルなし」とし、本文冒頭に見出しをすこし大きく付けることで代用とします。

パネルソーの整備

 

当工房で使用している木工機械でいちばん大きい機械がパネルソーです。5mほどある長い水平の台に板材をセットし、空気圧でその材を固定してから、スイッチを押すと盤面の裏から丸ノコの刃が出てきてレール上を移動しつつ垂直に材を切り降ろします。切り終わると刃が裏に引っ込んで、自動的にまた上のほうにもどっていきます。カット&リターンの距離は昇降用モーターの秒数設定で行います。この機械は主に合板などのパネル類を加工するのに用いるソー(のこぎり)であることからパネルソーと呼ばれています。

当工房のパネルソーはSHINX=新鋼工業製で、SZ3G−9000Rというモデルです。1991年8月に導入。切断加工長は最大2750mmまで、厚みは305mm径の丸ノコ刃を装着した状態で46mmまで(径355mmだと68mmまでだったか)。台の水平度ならびに丸ノコの移動レールの垂直度の精度が高く、これでパネル類をカットすると1m当たり0.1mm程度の誤差で直角に切ることができます。主軸モーターは3.7kw(約5馬力)もあるので、たとえば昇降盤などでは難しい硬い厚い材でも難なくしかも安全に切断することができます。

手作業で同様の加工を行う場合は、まず正確な90度の線を引くこと自体がすでに難しく、さらにそれを何枚もきっちりとカットすることはさらに困難です。パネルソーを導入する23年前まではやむなくそうやっていたわけですが、パネルソーを入れてからは、材料をただ台に置くだけでほぼ自動的に精密に何十枚でも加工してくれるので、じつに感激的でした。周辺機器も含めて300万くらいしましたが、じゅうぶんそれだけのアテはあります。

さてこの働き者のパネルソーですが、刃口がすこし広がりやつれてきたのと、切断時にナイフマークが目立ってきたので、先日自分で整備調整をしました。ナイフマークというのは機械の刃の跡が筋状に加工面に表れたもので、とくに丸ノコ系の機械の場合これを皆無にすることは原理的に不可能ですが、肉眼で一目でナイフマークが分かるというのはよくありません。それは刃が切れないか歪んでいる、あるいは定盤定規と刃との平行度が狂っていることを意味するからです。ナイフマークが目立つようだと切断寸法精度に難があるだけでなく、その切断面が表に現れる部材なら、鉋で削ってそれを除去する後処理に一苦労することになります。

DSCN1810

 

写真は定盤のポリ合板を外して心臓部の点検・調整をしているところです。Fクランプで押さえている杉板は、刃の平行度が正確に出ているかどうかを実際に材料を切ってみて微調整するためのもの。点検前は刃の前方と後方とで0.1mmくらいの誤差があったのですが、これでほぼゼロになりました。刃口板も同様です。

こうした点検整備は基本的に自分で行います。今回は丸半日以上かかってしまいましたが、業者に依頼すればけっこうな出費となるでしょうし、観点=許容誤差のレベルが異なるので、必ずしもこちらが望んだ結果が出るとはかぎりません。もちろん大がかりな修理や改造などは自分ではできないので、そのときは専門の機械屋さんかメーカーの技術者に頼むことになります。

 

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