※※ タイトルの入力が先日来うまくいかないので(ブログソフトのバグ?)、とうぶんの間「タイトルなし」とし、本文冒頭に見出しをすこし大きく付けることで代用とします。
コーヒーブレーク 9 「血天井」
落椿断崖なれば地を汚さず
椿(ツバキ)は本来は暖地性の常緑樹だが、雪が積もるような寒冷地にもけっこう生えている。人為的に植えたものはまた別としても、このあたりで野山に自生している椿はヤブツバキかユキツバキ、またはその中間形とみられるユキバタツバキだ。平地に生え樹高5〜6mほどにもなる椿がヤブツバキで、山間でより厳しい環境に背を低くして(2mほど)生えている椿がユキツバキである。雪の重さで折れてしまわないように幹や枝は柔軟性があり、むしろ雪の下にすっぽりとおおわれてしまうことで極度の寒さをやりすごす。したがって積雪の少ない年は寒風にもろにさらされてしまうので厳しいことになる。/ユキツバキは山岳地では陽が比較的よくあたる尾根の上などに群落を成していることがしばしばあり、雪がまだところどころに残っているそばに咲く赤い花は鮮烈である。
血天井門を出づれば春の草
血には鉄分があるので、材木のタンニンと結合してタンニン鉄ができる。タンニン鉄は黒色のため血液の赤色といっしょになって、いわゆる「どす黒い」染みとなるわけだ。木材の表面に付着するだけでなく一種の染料となって木材組織の内部にも染み込んでいくので、血で汚れた木材は表面を雑巾で拭いたり洗ったりしたくらいではきれいにならない。血の量や木の種類にもよるが数ミリはけずらないと無理だろう。/血天井というのは、昔落城などで戦に敗れた武士などが集団自決し、そのときに板の間や廊下の板に染みついた血痕を、その板自体をそっくり剝いで天井板として使ったものだ。現代ならなんとも陰惨酷薄な仕打として非難され実施されないだろうが、昔はそれが鎮魂であり供養であって、またひそかに再起復興を念ずるためのかっこうのよすがとなったのであろう。京都の養源院や正伝寺などの血天井が知られているが、ほかにも同様のものが各地にあるという。
どうしても閉まらぬ蓋や雛納め
わが家には雛人形はないが、親戚や知人の家で雛人形を飾ったり仕舞ったりを手伝ったことがある。人形は大きさも形もまちまちで、しかも本体だけでなく付属する楽器やら武具やらもある。しかも全体としてできるだけコンパクトに収納したいということで、箱それぞれの容積に余裕がないことが多い。 決まった向きに決まった手順で納めないと蓋ができない。無理やり蓋をすれば人形が壊れてしまう。それでそのたびに「これどうやったら入るの?」などと訊くわけだが、それもまた一興ではある。