日別アーカイブ: 2011年7月14日

小学生たちと高瀬峡へ

この前、遊佐町内のある小学校の5年生をひきつれて、鳥海山の高瀬峡にハイキングに行きました。レジャーではなく、学校の学習の一環です。事前に教室で鳥海山とその湧水についての特別授業を2時間行い、日をあらためてフィールドワークとあいなった次第。生徒が約20名、先生方が4名、それに私を入れた陣容です。いちおう私がチーフになってすすめました。

はじめの予定では、高瀬峡遊歩道の最奥の大滝まで行くことになっていたのですが、滝直前の中州にかかる橋が4月の大水で流出したままになっていて、小学生たちには渓流を渡るのはちょっと無理ということで引き返しました。これでフィールドワークが終わってしまってはもったいないので、昼食後には長坂道を上がってヒノソで「川遊び」をしました。ズボンをひざまでまくって裸足で沢を遡上します。4mほどの滝を越え、次の10mの滝の下まで全員行きました。登山の一形式である沢登りのまねごと的な活動ともいえます。

裸足であることの利点は、水の中も歩けることです。ひざより浅いところであれば、水中にも適当な足場(スタンス)が思いのほか多いことが分かります。裸足なので岩の細かな凹凸をつかんで歩をすすめることができます。岸辺の大岩を乗り越えてすすむよりも、流れを正面突破するほうがとうぜん楽で、かつおもしろいです。私以外はこういう川遊びをするのは初めてなので、「右足はそこ、左手はここ」と手取り足取りルートを細かく指示しました。絶対走ったり飛び跳ねてはいけない、足だけでなく手も膝・肘・尻もフルに使うことなどを注意します。何人かはあやまって腰まで濡れてしまいましたが、誰も怪我などすることなく200mほどのルートを往復しました。みな大満足、大喜びです。

こうした川遊びは大人にとっても子どもにとってもばつぐんに楽しいのですが、その一方安易に行うと非常に危険です。まず川そのものの選択が重要です。さらに場所の選定。もし落ちても全身水没したり流される心配がないこと、 適度な水位であること(有効水深幅は20cmくらい)、岩石が適度に摩耗していて足を切ったりするおそれがないこと、水が清冽透明で水中の足場が見やすいこと、天気が安定していて急な増水などがないこと、などです。そのため必然的に湧水ではなく雨水中心の渓流でないと上記のような川歩きはできません。湧水主体の渓流の場合は、水量と水温が安定しているために、岸辺も川底も苔むしていることが多く、岩も尖ったままのことが多いので、川中を裸足で歩くといった活動には不向きです。

下の写真は川遊びではなく高瀬峡遊歩道の枝道にある蔭ノ滝での小休止のときのものです。今回のように自分がリーダー格となって団体行動をしていると、写真撮影している余裕は物理的にも心理的にもほとんどなく、まともな写真はありません。まして川遊びの最中の写真は皆無です。