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コーヒーブレーク 98 「十三月」

 

 

古暦十三月は開かぬまま

[ふるごよみ じゅうさんがつは あかぬまま] 年末になると取引のある業者からカレンダーをもらう。それ自体はありがたいことではあるのだが、工房内に掲示する最低限必要なふたつくらいを残してあとは廃棄することが多い。もちろん事前に「不要です」と告げることができる場合はそうしている。/例えばの話、建設業者が自社が設計施工した建物の写真を大きく掲げ、しかもその社名が大きく印刷されてあるカレンダーを配るのは、その会社の広告宣伝にすぎないわけで、もらったほうは「なんで無料であんたのところの宣伝をしないといけないんだ!?」と内心思うだろう。あるいは観光絵葉書のようなありきたりの名所旧跡や女優のカレンダーなんぞをもらってもちっともうれしくはない。どうせ進呈するなら、実用的でもっとセンスのあるカレンダーを選択、もしくはオリジナルで作ったらどうか(その上ですみっこに小さく会社名を記すのはもちろんオーケー)。

生きものの生れる前のごと雪明り

[いきものの あれるまえのごと ゆきあかり] 雪が降ったあくる朝の景色はいい。しかもそれが晴れていて青空がのぞいているとなれば、ほかに比べようもないほどに美しくすばらしいと毎回思う。地球は今から46億年前に誕生したが、この惑星に生命が生じたのは40〜38億年前であろうといわれている。水が水という液体でとどまることが可能であった太陽との絶妙な距離や、地球の質量、大気の組成などいくつもの偶然が重なって奇跡的に生命が発生したらしいことがわかっている。そうした原初の生命が登場する前にもはたして降雪があったのかどうか。

まっしろな白鳥そうでもない白鳥

[まっしろなはくちょう そうでもないはくちょう] 動物の「種」としていう意味では白鳥という鳥は存在しない。白鳥は7種類のカモ科の水鳥に対する総称である。またこの中にはコクチョウという色の黒い鳥も含まれる。つまり「黒い白鳥」である。冗談みたいな話だが、もちろん本当である。/古くは白鳥は「くぐい」または「くくい」とも呼ばれ、漢字変換すると一発で「鵠」と表示されることから、思った以上に昔は一般的な名前であったのかもしれない。ただし漢字はよくみると左側は「告」ではなく「牛+口」のような形である。国語辞典をひくと、白鳥の古名であることと共に、弓の的の意であるとも記してある。的の中心の丸が白丸であることからのようだ。さらに「正鵠を射る(せいこくをいる)」はその由来から考えれば「正鵠を得る」でも正しい用法であるとも。

 

迷惑メールが殺到

 

最近、迷惑メールが非常に多いです。そういったメールのほとんどは自動的に「迷惑メール」のボックスに振り分けられるのですが、下の写真の某日の70件はすべて英語表記でしかも件名が「Re:~」が多いことがわかります。このブログではタイトルなどのごく一部を除いて日本語以外の記事や表記はありません。したがって、わざわざ英語で送信してくるのはそれだけで怪しいし、これでひっかかる確率はきわめて低いでしょう。まあ、数打ちゃ当たるということで、ロボット的な自動ソフトで送信してるんでしょうけど。工房のメールは通信販売上の義務もあって公開しているので、アドレスの取得自体はごく簡単にできるわけです。

それとは別に、アマゾンやヤフーや楽天、または有名ブランド・実店舗名をかたったメールもときどき来ます。こちらはなぜか非公開の個人のメールアドレスに送られてくることが多く、きっとどこかで誰かが個人情報をばらしているのか、そういうのを取得するとくべつなソフトみたいなものもあるのかもしれません。こちらのメールは日本語ですが、「ご注文のお品の再確認」「お届け日のお知らせ」「正式な発注書を送ってください」といった短いコメントが書いてあるのですが、肝心の品物の名前等や受け取り場所・希望日時、送信者の住所や名前などといった基本的な記述はなく、ZIPファイルが添付されていることがほとんどです。

こういうへんな、うさんくさい、心当たりのないメールは開いてはいけません。とくにZIPファイル等の添付ファイルには絶対に触ってはいけません。ウィルス等に感染するおそれが大です。みなさんもお気をつけください。

また自分で誰かにどこかにメールを送る場合も、迷惑メールとまちがわれないように件名や宛先名、送信者の諸情報(氏名・住所・電話番号・メールやHPのアドレスなど)をできるかぎり記してほしいと思います。メールソフトによってはそういった不備があるだけで迷惑メールと自動的に判断して捨ててしまうこともありますので。

 

アルビフロラです〜

 

わが家の飼猫アルビフロラです。ラテン語で書くとAlbifloraで、白い花の意味。通称はアルです。真っ白の猫で、病院の前に捨てられていた猫3匹のうちの1匹をもらい受けたのが2014年の6月なので、今2歳半を過ぎたところ。

小柄で体重は3kg弱ですが、たいへん活動的な猫であちこちにハイジャンプしています。本棚もよじ上ってロフトに上がったりもします。家族以外の来訪者にも臆せず顔を見せるのですが、なぜか抱かれるのは嫌いで、ほんの短時間はともかくそれ以上抱き続けようとすると私たちに対してもかなり強く噛んだりします。遊んでいてもいわゆる甘噛みがうまくできないようで(本人は加減しているつもりでしょうが)、ひところよりはましになったとはいえ私たちもときどき血を流すはめに……。

わが家ではずっと猫を飼ってきましたが、猫によって性格はずいぶんちがいます。昨年8月19日に14歳で病死したトントは、家族以外にはまず顔を会わせようとしませんでしたが、抱かれるのは大好きでしょっちゅう「抱っこしてくれ〜」という顔で私たちを見上げていました。寝る時もほとんど私の布団でいっしょでした。

さて、みたところたいへん元気で健康そのものに見えるアルですが、じつは軽度の狭心症です。心臓の隔壁が通常より肥大気味で、放っておくと重篤な状態になるおそれがあるという診断。たしかにMRIの画像を見ると、トントなどとは心臓のかたちがすこし違って見えます。というわけで定期的に動物病院に通い、投薬もしているのですが、困ったことにその診察の予約がなかなかとれません。

以前は当日の朝早く病院の窓口に行ってまずは予約帳に名前を記入し診察の順番を確保。その後連絡を待ってから猫を連れていくというシステムだったのですが、8時予約受付なのに6時すぎにはもう駐車場で待機している人もいるという状態でした。これでは近所の人か時間的余裕がある人しか通院できませんので、半年くらい前から自動電話予約というシステムにかわったのですが、これも受付開始の午前6時ですぐに電話しても「ただいまたいへん混み合っており電話がつながりません」の繰り返しです。困りましたねぇ。

 

 

新しい片手鍋

 

1月22日の当ブログの記事で柳宗理(やなぎそうり・本名はやなぎむねみち 1915~2011)のボウルを紹介しましたが、続いて片手鍋です。径18cm、容量2リットルの艶消ステンレス製。わが家のキッチンのコンロはプロパンガスなので、IHには非対応でだいじょうぶです(同シリーズに基本形は同一で、磨きのステンレス製やIH対応3層のものもあります)。

20年ほど使っていたステンレスの片手鍋が柄のリベットがぐらぐらしてきて、万一がたんと外れて大火傷という心配もあるための買い替えでした。店頭でいろいろなメーカーの片手鍋をみたのですが、結局最初に目にとまった柳宗理のデザインになるこの片手鍋に落ち着きました。

ちょっと変わった形で、注ぎ口が左右についています。それも柄に対して90度の位置ではなく、使い勝手を考えてすこし開いた位置に設けてあります。2枚目の写真でわかるように蓋を任意の位置にずらすことによって蒸気の排出量を調整したり、お玉を入れたままにもできます。また口を大きめに開いて、ざるをつかわずに蓋を押さえたままで野菜などの茹でこぼしも可能です。そのためもあって蓋の樹脂製のつまみは下のほうが大きく広がっていて指が火傷しないように工夫されています。単なる見かけ上のデザインではありません。

3枚目の写真は別売のざる(ストレーナー)で径19cm、ステンレスのパンチングメタル製です。ちょうど片手鍋にうまくおさまるように設計されており、この状態でざるの底と鍋の底とに2cmほどの隙間ができます。鍋のふたもぴったりかぶせるようになっているので、鍋に浅く水をはって野菜等を蒸したりもできます。ただし欠点というわけではありませんが、複層構造の厚手の鍋ではないので、火力を強くしての煮込み料理などにはあまり向いていません。

すでにロングセラーの有名な製品ですが、柄だけの交換もでき、重度の焦げ付きなどの磨き直しのサービス(有料)もあるそうです。たぶん私のこの後の生涯いっぱい活躍してくれるでしょう。

 

 

青猫句会 2017.1.18

 

毎月第三水曜日の夜に開催している青猫句会です。今月は1月18日でした。場所と時間はいつもの通りで、酒田駅に近い「アングラーズカフェ」で午後6時半〜9時です。今回の参加者は相蘇清太郎・今井富世・大江進・大場昭子・齋藤豊司・佐藤歌音・南悠一、投句のみは佐藤や志夫(やは弓+爾)の、合わせて8名でした。それと見学がお一人。

この青猫句会は其の一と其の二の2部に分けて行います。参加者は事前に無記名で2句投句するのですが、おおむね当季の季語を入れるという以外の制約はありません。おおむねというのは「真冬なのに春や夏の季語は使わない」くらいのゆるやかなものです。また五七五の定型でなくともかまいません。
では其の一から。

2 襟正し郵便夫を待つ松飾り
0 ふと佇みをり侘助といふひと
1 淑気満つ心に朝を抱きて眠る
2 寒昴氷河くずれる音聞けり
5 抗ひて生きたるもよし今朝の雪
2 宝船定格オーバーを言い出せず
3 咳一つ雪降る夜にかくれけり
1 新玉に鈍色の宙光射し

最高点は<抗ひて生きたるもよし今朝の雪>で5点獲得。今朝の雪は元旦の朝の雪のことですから、今年一年の始まりにあたってなにがしかの決意や目標といったことを掲げ、または心に置くというのはよくわかります。しかしそれが「抗いて活きる」ではあまりにふつうすぎるようですし、そのわりにいったい何に抗うのかもみえてきません。もうすこししぼったほうがいいと思います。作者は佐藤歌音さん。

次点は<咳一つ雪降る夜にかくれけり>で3点。私も取りましたが、「咳一つ」とくると嫌がおうにも尾崎放哉の「咳をしても一人」を想い起こしてしまうので損していますね。それはともかくとしても、「かくれけり」がいまひとつとらえがたいです。風がなくて雪がすくなからぬ量で降り続いていると、音を吸い取ってしまうような感じでとても静かなわけですが、咳自体がたちまち無音となって静寂にもどってしまうということでしょうか。しかし「かくれる」が適切であるかどうかは一考を要すると思います。作者は今井富世さん。

2点句は3句あります。はじめの<襟正し郵便夫を待つ松飾り>を、襟を正して待っているのを家人ととった人が多かったようですが、この場合は松飾りが待っていたんですね。そうとったほうがおかしみがあっていいと私は感じました。それから、私自身はさして気にはしていないことですが、「郵便夫」の◯◯夫という表記を批判的にみる人がいるかもしれません。作者は相蘇清太郎さん。

次の2点句<寒昴氷河くずれる音聞けり>は景の大きな句です。昴がくっきり見えるような冬の星空を眺めていると、どこか遠いところから音がかすかに響いてきて、それはもしかしたら氷河が崩れる音かもしれない、と。地球温暖化や気候変動による氷河の衰退と解釈する必要は必ずしもないと思いますが、遠いそうしたできごとをさらに遠い星たちも見ているであろうということです。私も取りました。作者は大場昭子さん。

3つ目の2点句は<宝船定格オーバーを言い出せず>は、めでたい初夢をみることができるようにと宝船の絵を枕の下に敷いて寝るという新年の季語。船はたいてい宝物を満載しかつ豊満な七福神が載っているわけですが、それは舟の積載荷重を越えているようです。舟なので船頭もきっといるのでしょうが、なにしろ相手は神様なので言い出せない。定格というのは機械類の設計強度・容量などをいいますが、上五でいったん切れるので、必ずしも宝船のことだけをいっているわけではなさそうです。作者は私です。

1点句のふたつの句は、「心に」「新玉に」といった言葉が言わずもがなの感があり、よけいでしょうね。「宙」も「空」としたほうがいいです。

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この日は連日の降雪で路面状況がわるく、ほとんどの参加者が車で来るので、句会の開始がすこし遅れました。参加人数もそのこともあってか、やや寂しい様相を呈しています。句数が少ないと点が入った句も入らなかった句もだいたい全部に触れることができる面ではいいのですが、半面、誰の句であるのかがわかりやすくなってしまうので、面白みに欠けるきらいがあります。
では其の二です。

2 父と子の学習帳閉づ七日かな
2 底冷えて猫にも足袋をはかせたし
3 まっしろな白鳥そうでもない白鳥
0 淡雪の湯船密やか若き妻
1 赤裸々の内なる声あれ年始め
5 春の雷懐かしき人連れてくる
1 鶏の首ゆるく締めれば雪となる
2 炭竃に百年の苔杣の道

最高点は5点句<春の雷懐かしき人連れてくる>です、雷は夏の季語ということになっていますが、「春の雷」なのでこの地方でときおりある降雪の前の雷鳴でしょう。夏の雷のように激しく長く続くことはないので、どちらかといえばおだやかなやさしい感じのする雷です。それが中七・座五とうまく響き合っています。ありがちな句であるような気もしますが、まずはいい句。作者は佐藤歌音さん。

次点句は3点句<まっしろな白鳥そうでもない白鳥>ですが、五七五から大きく外れた句で、ひとによっては「これが俳句か?」というような句です。白鳥はその白さが強調されることがふつうですが、幼鳥などではなくとも比較的近い距離で、あるいは双眼鏡などでよく観察するとそれほど全身が白いわけではないことがわかります。しかしこの句はそういう「科学的事実」をいいたいわけではなく、「そうでもない」がくせものです。「あの人はいい人だよ」「いやあ、そうでもないよ」といったニュアンスですね。作者は私です。

2点句は三つ。最初の<父と子の学習帳閉づ七日かな>は私も取りました。今年は9日が月曜日で祝日でもあったので、10日から学校だった子供が多かったと思います。しかし通常であれば7日は正月休みの最後の日で、宿題の学習帳を親が手伝いながらやっと仕上げたという図でしょうか。「父と子の学習帳」がおかしいです。七日のことをこういうふうに詠んだ句は、私は初見です。作者は佐藤や志夫(やは弓+爾)さん。

次の2点句<底冷えて猫にも足袋をはかせたし>はまあ、そのままですね。脚の先だけ毛が白い猫もいるので、よけい既視感があります。いっそ足袋ではない、もっとなにか意外なもの奇妙なものを履かせたいです。作者は今井富世さん。

最後の2点句<炭竃に百年の苔杣の道>もまた炭竃+苔+杣道とあってはそろい踏みの感をまぬがれません。同じベクトルの同じような素材を並べすぎているように思います。作者は大場昭子さん。

さて1点句ですが問題句としてあえて私が取った<鶏の首ゆるく締めれば雪となる>です。ニワトリをしめて食すという場面のようです。ゆるく締めたのでは即死はしないので、強い力で一気に首をねじらないといけません。それは理屈では理解していても、やはり抵抗はあるのでしょう。そのためらいの心情が「ゆるく」に出ていると思います。座五の「雪となる」は火照った顔をしずめるように降ってくる雪、あるいは締められた後の毟られた無数の白い羽根のようでもあります。作者は南悠一さん。

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昨年の2月の句会はかなり雪が降ったので、参加を予定していた人のなかには車を出せないということで欠席になったひともいたことを思い出します。今年はどうでしょうか。次回は2月15日の開催予定です。読者のかたで興味関心のある方はまずは見学だけでもどうぞおいでください。

 

ハードメープルの菓子器

 

昨年11月2〜8日の個展で、ご注文をいただいた小物7種類のうちのひとつで、ハードメープルの菓子器です。大きさは径246mm、高さ33mmですが、陶器の器のようにすこし高台がついているので、テーブルなどに置いたときに浮遊感があっていいかなと思っています。

ハードメープルは北米産の落葉広葉樹で、カエデの仲間の中でもとくに硬く重い樹種数種を含む通称もしくは材木業界用語なので、実際にこれがなんという樹のものなのかは判然としません。ただいちばん確率が高そうなのがシュガーメープル(サトウカエデ)です。メープルシロップを採取する高木で、日本でいうとイタヤカエデに近い樹ですね。色はかなり白っぽく、中程度の濃色のソフトメープルとはだいぶ感じがことなります。

固く緻密な材料なので、かなり薄くしても強度的には大丈夫ですが、見た目や使い勝手の問題もあるので、縁の厚みは3mmにとどめました。仕上げはセラミックタイプのウレタン塗装(4回塗り)です。

 今回はとりあえず1個ですが、新たに仕入れた材料(ハードメープル)がまだ余分にあるので、追加製作は可能です。ご希望の方はご連絡ください。

 

柳宗理のボウル

 

柳宗理デザインの直径27cmのステンレスのボウルです。柳宗理(やなぎそうり・本名はやなぎむねみち 1915~2011)は20世紀に活躍した代表的かつ世界的な工業デザイナーで、工業製品のほか玩具やオブジェや建築物・サインなど幅広く活躍しました。

調理器具のデザインは実物の試作もふくめて数多く手がけており、いずれも定番的なロングセラーとなっています。ステンレスのボウルは径13・16・19・23・27cmがあり、手つきのストレーナー(ざる)&ストレーナーや鍋類と組み合わせて便利に使えるようにできています。たとえば19cmのボウルに同じ19cmのストレーナーを合わせると、両者の側面の形状は微妙に違えてあるので、水切りが自然にうまくできるといったことです。単品としてのデザインではなくシリーズとしてシステム的に開発しているということですね。

昨秋、地元のデパートの清水屋の画廊で個展を開いたこともあって、たびたび清水屋を納品等で訪れることがあり、同じフロアの食器・調理器具フロアをのぞいてみたら柳宗理デザインの製品が数多く展示販売されていました。言うまでもなく私も彼の名前は以前から知っていましたが、現物を見たのは初めて。手にとってしげしげと眺めてみると、じつによくできています。

それでとりあえずということで、いちばん大きな径27cmのボウルを購入しました。ホームセンター等で売っているボウルの倍以上の値段ですが、それだけの価値はあると思います。表面仕上げは螺旋状のヘアーラインがほどこされており、写真のように野菜や果物を放り込んだだけで絵になりました。一気には無理ですが、順次買いそろえていこうかなと考えています。

 

冬の胴腹ノ滝

 

冬の胴腹ノ滝です。冬になると訪れる人も激減しますが、駐車場まではいつも除雪がされていますし、雪景色のなかの滝も風情があってとてもいいものです。湧水も夏場とはうってかわって、たいへん暖かく感じられるのがおもしろいところです。

※ 写真ならびに温度の測定は1月17日の正午頃のものです。

 


胴腹ノ滝全景。積雪は50cmくらいで、例年のこの時期にくらべればずいぶん少ないほうである(水汲場から撮影)。冬でも水汲み等に訪れる人必ずがいるので、駐車場から滝までは踏み跡がしっかりついている。


向かって右側の滝。水温8.6℃、社の前地上1.5mの気温は0.5℃なので、湧水がずいぶん暖かく感じられる。水量はまだ比較的あるほうである。


向かって左側の滝、水温は右と同じで8.6℃。


水汲場から社(お不動様)に向かう途中の歩道から。立て札は昨年10月に、宮司さんと相談のうえで私がジオガイドの仲間に手伝ってもらいながら設置したもの。3カ所に立てたが、雪が降る前の観察では渓流直近の裸地化のさらなる拡大は見られなかったので、まずまず効果はあったようだ。


社から下流側を見る。ここの注意標識は地面が岩だらけで杭がささらなかったので、樹にシュロ縄でゆわえてある。針金や釘打ちは厳禁。

 

コーヒーブレーク 97 「終日」

 

 

赤と黄の樹脂製玩具橇乗初

[あかときの じゅしせいがんぐ そりはじめ] 今冬は雪が少ないので、まだ橇(そり)滑りに行ってない。橇といっても子供の遊び用の簡単なもので、プラスチックの薄板をプレスで一体成形したもの。値段的には980円みたいな極端に安いのはすぐ壊れるので、いちおう店頭に並んでいる中ではいちばん丈夫でかつ使い勝手がよさそうなものを選んでいる。うちの子供を橇滑りに連れていくときは、ついでなので子供の友達などもいっしょに連れていくことが多いし、私自身も滑るので、わが家には橇が3台ある。/スキー場のファミリーゲレンデの一画で滑るのだが、慣れれば自由にカーブも切れるしUターンらしきものもでき、相当なスピードが出るのでおもしろい。じつは、単に子供の遊び、玩具と片付けてしまうには惜しいと思っている。

終日身を投げ出して冬の波

[ひもすがら みをなげだして ふゆのなみ] 日本海は荒海であるとのイメージが一般には強いようだが、比較的小さな海なので、太平洋などの大海にくらべれば平均的にはおだやかな海といっていいであろう。もちろん強い北の風や西の風がいったん吹けば大荒れになるし、泡立った海水が風にあおられて岸辺に打ち上げられ、また空中に飛ばされる「波の花」が生ずることになる。/波による浸食の激しさは、鳥海山の猿穴という噴火口から流出した溶岩が、わずか3000年後のいまは複雑怪奇なまでにさまざまな形状に切り刻まれてしまっていることからもわかる。もっとも海水だけではいくら激しくぶつかっても岩はとうぜん硬いのでそうそう簡単にはえぐられたり摩滅したりはしない。浸食作用は小さめの砂礫が強い波で巻き上げられ浮遊しそれらが海水とともに岸壁の岩を激しく打つからである。

難読の人名地名冬うらら

[なんどくの じんめいちめい ふゆうらら] 赤ん坊が生まれてなにかしらの名前がつけられるわけだが、昨今のそれになんとも判読しがたい名が少なからず含まれることを嘆く人は多い。出生届けの用紙に書き込みをするその際に使える漢字などは一定の制限があるのだが、読みに関してはまったくの自由裁量。したがって国語辞典、古語辞典、漢和辞典などをいくらひいても絶対に載っていないような摩訶不思議な読みがしばしば生まれることになる。「こじつけ」ならばまだしも推量の余地があるが、それともいっさい無関係な個人的なイメージの所産となると、第三者にはどう読んでいいのか皆目見当がつかない。そうした名前であとあと苦労するのは、むろん名付け親ではなく、そういう名前をつけられてしまった当人である。

 

大きめの亀の子束子

 

たぶん15年くらい愛用している長さ17cmほどの、やや大きめの束子(たわし)を新調しました。前のと同じく株式会社亀の子束子西尾商店のものです。ヤシの実の繊維=パームを針金に挟んでぎりぎりと強固にU字型に成形した束子で、当工房では主に材木の汚れを落とすのに用いています。写真の左のが古い束子、右のが新しい束子です。

木材の汚れは繊維の埃や木粉などであれば見た目はともかく実質的な障害はあまりないのですが、土砂になるとそれがたとえ微粉であっても刃物をかなり痛めてしまいます。木取して手押鉋盤と自動鉋盤で平面出しと厚みを一定にするのですが、この際に木肌に土砂系の汚れがついていると目に見えて刃物の切れが低下します。それをできるだけ避けるためにエアー(圧搾空気)+束子で極力きれいにします。

束子を使った場合と、使わないですぐに機械を通した場合とで少なくとも2〜3割程度は刃物の持ちが違うように感じています。手押鉋盤と自動鉋盤の高速度鋼の刃物4枚を研磨に出すと5000円近くするので、この差はけっこう大きいです。多いときは月に2回くらい研磨に出しますので。

ホームセンターなどにはこの亀の子束子と、製造元もなにも表示のない束子とが並んで売られていますが、値段が倍ほど違うとはいえ明らかに亀の子束子のほうがものがいいですね。高いといってもこの4号型(大)の亀の子束子で500円弱ですし、長く気持ちよく使えると思えばぜったいお得です。