3月21日の記事で、庄内町のSさんから庭に植えられていたブナを伐採したものをいただいたことを紹介しましたが、なんとそのときの丸太の一部から若葉が出ていました。
伐ってすぐとはいえ、ずっと車内や室内に置いていたのでそれなりに乾燥してきているとは思うのですが、新葉が萌え出ているということは内部にはまだまだ水気がたっぷりあるということでしょう。たくましい生命力です。このあと様子をみながら、自宅の庭に挿し木でもしてみましょうかね。
3月21日の記事で、庄内町のSさんから庭に植えられていたブナを伐採したものをいただいたことを紹介しましたが、なんとそのときの丸太の一部から若葉が出ていました。
伐ってすぐとはいえ、ずっと車内や室内に置いていたのでそれなりに乾燥してきているとは思うのですが、新葉が萌え出ているということは内部にはまだまだ水気がたっぷりあるということでしょう。たくましい生命力です。このあと様子をみながら、自宅の庭に挿し木でもしてみましょうかね。
国土地理院発行の1/25000地形図に載っている山名、および旧の1/50000地形図には載っていたものも合わせて約18000あるという。言うまでもなくこれでも日本全国にある山の名前の一部分でしかなく、実数ははるかに多いであろう。/よく紀行文や小説などで「名も無い山々が〜」などと表現されることがあるが、馬鹿を言ってはいけない。よそ者がある土地に来て簡単に眺めることができるような、比較的人里に近くそれと指呼できるような山が、無名であるなどということはありえない。むしろ驚くほど細かく名前がつけられていることがしばしばである。/山名よりもさらに細かく名前がつけられているのが河川で、古い絵図などを見ると山中のごく小さな沢にまでことごとく名前が付されていることに、ほんとうにあっけにとられる思いをすることがある。/名付けとはつまり他との弁別であり、ある山や川が他の山や川と違うものであると明確に区別する必要に迫られて行われるものであるだろう。山菜や鳥・獣・魚などの採取・捕獲の目印として、あるいは領地や村の境界線として、日常世界と非日常世界の切れ目として。
鷲や鷹などの猛禽類はどうして断崖絶壁に巣を作るのであろうか。その岩壁も垂直よりもさらにいくらか逆勾配(オーバーハング)になっていて多少の小雨なら避けられるとか、近くに松などが生えていて適度に日射や風をさえぎるといった条件があれば最高である。むろんそれは卵や幼鳥が蛇や獣などから襲われないようにという理由がいちばんにあると思うが、それならば鷲や鷹などでなくとも他の鳥類にしても同じ理由で、切り立った崖に営巣してもよさそうなものだが、あまりそういう例はないように思う。/その地の崖の一等地は先に猛禽類が占めてしまっている事情があるかもしれず、また逆にそういう場所に巣を構えていたら、鷲や鷹などのかっこうの餌食になってしまいそうではある。むしろ細かい枝葉の入り組んだ樹木の一隅などのほうが目隠しにもなり、大型の鳥にとっては枝葉が障害物になるということだろうか。いやいや営巣の場所もなにも、とにかく「数で勝負」という生存戦略で大分の犠牲は織り込み済みであって、容易に得られる営巣地でとにかくたくさんの個体がたくさんの仔をなしていけば、たとえ敵に襲われてもある程度は生き残るにちがいないということか。
これまで何度か書いたような気がするが、私はとりたてては桜の花を好まない。ソメイヨシノはともかくとしても、山桜の仲間などの花はきれいだなと思うものの、それは同じ頃に咲くたくさんの草木の花と基本的には同列である。桜だけが特別という感覚も思考も私にはない。したがって人為的に植栽された桜並木などのライトアップや篝火を焚いての観桜会なども、ちっとも興味がない。むしろその特別視や過剰な演出に辟易しているというのが正直なところ。
鳥海山南西麓の高瀬峡ですが、山ノ神からの遊歩道で長坂道(右)と遊歩道の奥の大滝方面(左)の分岐点Y字路にかかげた道標が、かなり風化し、杉の木にしばりつけたシュロ縄も切れて地面に落ちていました。大きさは18×83×320mmくらいです。
この道標はたしか5年以上も前に、地元の高校のフィールドワークのときに私が主導して生徒の手で付けたものだったと思います。板自体はヒノキなので、まだ朽ち果てた感じではありませんが、油性マーカーで書いた文字や矢印はすっかり風化して判読しにくい状態になっています。紐もだめになっているので、早急に交換する必要があります。ただ興味深いのは文字のところだけがわずかに盛り上がっており、これは市販の普通の油性マーカーといえど多少は耐候性があるのだということの証拠です。墨書であればもっと保つかも、ですね。
ということで、持ち帰ってきました。直すか、もしくは新しく作り替えしたほうがいいかもしれません。このように道標にかぎりませんが、「道は人が歩いたところが自ずと道となる」のでは決してなく、誰かが「ここを道として維持しよう」という意思のもとに不断に手入れをしているからこそ道であるのだということを理解していただけたらと思います。
酒田市内のある方のお宅で、仏壇前に置いて使われている経机の修理を頼まれました。4本ある脚の1本が折れてしまい、上に置いていたものがみなひっくり返ってたいへんなことになったそうです(もちろん当工房で製作した机ではありません)。
工房に持ち帰って仔細に点検してみたところ、脚の上端に埋め込んだホゾを地板のホゾ穴にただ差し込んだけで、しかもホゾ穴の大きさに比べホゾが若干細いため、折れてしまった1本以外にもすべての脚がすこしぐらついていました。写真でもすぐわかるようにそもそもが外向きに反っている脚なので、ただでさえ横向きの力がかかります。これでは正確にホゾとホゾ穴を作りよほどしっかりとホゾ組をしない限り強度的に無理があります。
しかも驚いたことに脚を抜いてみると、ホゾのゆるみをいくらかでも抑えるためかセロテープを巻いていました。はじめからだったのか、一度ゆるみが生じたので誰かが以前に巻いたんでしょうか? 酷すぎますね。
折れたホゾを除去し、他のホゾも厚みを調整してかたく打ち込みました。
今回の経机は紫檀の突き板を合板(一部はMDF?)に貼った既製品のようですが、まあなんとか修理をすることができたのは不幸中の幸いでした。ものによっては修理不能な場合もありますし、たとえ修理できても新品を買うより高くつくこともあります。
地元、酒田市のデパート「清水屋」の画廊で、今年11月2〜8日に個展を行ないます。それに向けて昨年末から品物を作っているのですが、展示品は一点物の刳物(くりもの)の箱が中心です。
銘木の黒柿を用いての作品は、木工旋盤を使っての丸形のものはこれまで10点ほど作りましたが、今回の3点は旋盤を用いないで掘り込んで作った角形の刳物です。蓋が実にすっぽりとかぶさる形の被蓋(かぶせぶた)が2点、蓋と実が面一になる合蓋(あわせぶた)が1点です。
※ 販売価格については個展開催の直前にならないと確定しません。しかしながら製作原価から計算してのおおよその値段を算出することはできますので、仮予約という形での予約は受け付けています。ただし納品は原則として展示会終了後となりますし、お支払いも画廊との売買・契約というかたちです。ご興味のある方はメールにてお問い合わせください。
No.522 黒柿方形被蓋刳物 サイズ 縦84×横84×高さ37×実の深さ23mm 手の平に載るくらいの大きさで、強度を考慮して側面は若干の曲面となってはいるが、ほぼ正方形の小箱です。孔雀杢に準ずる上杢。旋盤で加工した丸形とはやはりずいぶん雰囲気が異なります。艶消塗装仕上。 売切れ
No.523 黒柿角形被蓋刳物 サイズ 縦89×横131×高さ38×実の深さ25mm 522よりやや大きく、1:√2の長方形。蓋はふっくらとしており、孔雀杢に準ずるたいへん整った杢。艶消塗装仕上。 売切れ
No.524 黒柿角形合蓋刳物 サイズ 縦88×横141×高さ55×実の深さ25mm 三つのなかではいちばんのボリューム。こういった木工芸の品では本来は一木を上下に切り分けて、それぞれに縁に段欠をつけて噛み合わせるのですが、この例では蓋と実は別の板から木取して加工し、「黒と白」との対比をねらっています。蓋は孔雀杢に準ずる上杢です。艶消塗装仕上。 売切れ
山形県遊佐町の南東方、蕨岡地区の通称上寺(うわでら)にある、アルファベットのWの字を横に倒したようなつづら折りの坂=W坂(だぶりゅうざか)の桜並木です。何十年も前の子供の頃から、たまに花見や遠足に出かけたように記憶しています。
樹種はソメイヨシノですが、樹齢的にはそろそろ限界で、ところどころ歯抜け状態になっています。それにスギの植林等がじゃましているし、Wの最初の1画(というのかどうか)は、新しい道路で切断されてしまっています。
ご神体の鳥海山をまつる大物忌神社の口ノ宮がこの小山の中腹にあり、太古の時代の断層の跡という急斜面なので、往来につづら折りの道を普請したというわけです。かつては一帯は社前町としてとても栄えたところです。
私は個人的には桜にはさほど関心はなく、同じ桜なら園芸品種のソメイヨシノではなく自然植生のオオヤマザクラなどのほうが断然好きです。しかしせっかくの景観であり、観光資源にもなりうるのにこのまま廃れてしまうのはやはり惜しいと思います。
一品ものの小物木製品を収納・保管するための木箱が20個近く勢揃いしました。先日(3/30)の記事でご紹介したスプルス(ベイトウヒ。北米産の針葉樹)でこしらえたものですが、中に入れる品物に合わせてみな寸法が異なることもあり、予想外に時間がかかってしまいました。同じ寸法の箱をたくさん作るのであればずっと簡単なんですが。このあと蓋に電熱ペンを使って品名・製作所・製作者・年月日・品番を記入します。
それに中身にくらべずいぶん大振りな感じがしますが、それは布で包んだ品物(作品)を出し入れするのに楽なようにするためです。品物と箱の間に指が入れられるだけの空きを20mm程度は設ける必要があり、また木箱の板の厚さ自体も両側で15mmになります。すなわち直径120mmの品物でも木箱の縦横の外形寸法は155×155mmになるわけです。
保管用の木箱とはいえ、中身につりあったレベルのものが要求されるのは当然のこと。材料(木材・布・紐)と加工費を合わせて、ざっとですが中身が製作原価10万円ならその個別専用のパッケージも最大1万円=1割くらいまでならまあいいかなという感じがしています。今回の木箱はそこまでは経費がかかっていませんが、サイズがもっと大きくなって両手で持つしかないような大きな箱の場合はその可能性が大です。
はるかに昔のことになるが、小学生のときにテープレコーダーに吹き込まれた自分の声を初めて聴いたときに、それが自分の声であるとは信じられなかった。機械のほうの調子がおかしいのではないかと思って、友達にきいてみると「いや、そっくりだよ」と笑って言う。そうか、自分の声は他人にはこんなふうに聞こえているのか。/それは自分が考えていたものと比べると全体に低い声で、すこし鼻にかかったような声だった。特徴がある声音でもあって、これでは顔姿が見えなくとも誰が話しているのか、すぐにわかってしまうなとも思った。悪い事はできない。
三三七拍子は文字通りに、○○○ ○○○ ○○○ ○○○○○○○ 合計計13拍のことだとか。テンポも速く、主に応援団の手拍子として用いられる。それに対し、一本締めの手締めは ○○○ ○○○ ○○○ ○○○ ○ で合計10拍、三本締めは一本締めを3回繰り返すこと。俗に関東一本締めと呼ばれるものは、ヨォー ○ だという一本締めは宴会等での中締めとして用いられることが多く、三本締めは完全にお開きの場合に用いられる(他の説もあり)。なるほどね。/最近は簡素化のためなのかどうか、上記のうちの ヨォー ○ という”一本締め”が多くなったような気はする。私的にはこれくらいか、せいぜい本来の一本締めくらいがいいかな。本格的な三本締めなんかやられた日にはうっとうしくてたまらんし、なんだかしらけてしまいそうだ。
昔はサボテンマニアで、多い時は300種類ほどのサボテンを自製のフレームで育てていた。さらに昔の中学・高校生の頃だと、親からもらう小遣いでたまに通販で入手するくらいなので、当然高価なもの珍奇なものは買えるわけもなく、数百円程度の小さなサイズのものだけだった。値段の安いものは要するに戦前くらいから日本に導入されていて、栽培・繁殖も比較的容易だからである。それらにはみな日本独自の名前=和名がつけられていたが、輸入業者等によるまったくの恣意的なものか、ラテン語の学名の発音のもじりがほとんどである。/それはそうで、ラテン語で表記された学名そのままでは、ごく一部の人をのぞいてそもそもなんと読むのかすらわからないし、意味も不明だし、なかなか覚えらない。英語もおぼつかないのに、ラテン語なんぞはとんでもない!というのはよくわかる。/しかし、そのおかげで特徴を的確にとらえかつ情趣のある名付けがいろいろ成されたことも事実だ。兜丸、般若、鳳凰玉、鯱頭、金鯱、花王丸、鶴巣丸、天晃、紅鷹、光琳玉、海王丸、守殿玉、鳥羽玉、望月、白星、月宮殿、振武玉、花籠、菊水、宝山、月影丸、入鹿、などなど、枚挙にいとまがないほど。しかし野生種のサボテンだけで5000種以上ともいわれるすべてに和名を付けるのはさすがに無理があり、ここ数十年くらいの比較的新しく発見された種類については学名のままに流通することが普通になった。これだと学名と和名との混乱という事態は避けられるものの、やはり名前を覚えられないなあ。
(※ 山形と秋田の県境に位置する三崎海岸。写真は、そのすぐ南側にある湾で、日本海の波に洗われた丸石が一面にごろごろしている。一つの湾の中でもその位置により岩の丸みの程度や大きさが顕著に異なり、たいへん面白い。)
昨日、鳥海山麓の胴腹ノ滝に湧水の調査と水汲みにでかけたのですが、その後にすこし足を伸ばして高瀬峡の胴腹ノ滝まで行ってみました。今年は積雪が少なかったので、例年とちがって山ノ神まで残雪もまったくなく車はすんなり進入することができました。
しかし案の定というか、遊歩道に入ってから最初の吊り橋の踏み板はまだ設置されておらず、ワイヤーロープにつかまってヒノソを渡り越しました。いつもより雪解けが早いことや、もう半月もすればゴールデンウィークになるのに、観光協会等の関係者はいったい何をしてるんでしょうかね。4月になり晴天の日曜日であれば当然ハイキングなどで人出が予想できるはずです。実際、引き返して来た乗用車2台とすれちがいましたが、明らかに山菜採りなどの車ではありません。
写真はヒノソの蔭ノ滝です。水量はそれほど多いわけではありませんが、滝のすぐ前の中州に渡るのは長靴でないとやや難しいかもしれません。
黒柿で刳物(くりもの)をつくるべく、材料の欠陥(ひび割れ・腐れなど)を2〜3mmくらいずつ切り詰めていたのですが、その木口切りした薄板が結果的にとてもおもしろい紋様を描いていました。
一枚の板を二つに切ってから、本を開くように左右対称の木目になるように使う手法をブックマッチというのですが、黒柿の孔雀杢の紋様をそういう具合に合わせてみると、なにやら中央に猫の顔のようなものが。同じ板からの薄板は6枚あるのですが、裏と表もあるので組み合わせとしては6種類。1、2枚目の写真とも一番左のブックマッチがもろに猫の顔ですね〜。3枚目の写真はそれのアップ。右端のはゴーグルをかけた猫ですか。
板厚は2mmくらいで、縦横は3×18cmくらいの大きさですが(2枚合わせると幅は約6cm。写真は上下をすこしトリミング)、木口なので、ちょっと無理するとぽっきり折れてしまいます。したがって製品に使うとすれば他のすこし厚みのある材料に慎重に象嵌するしかないかなと思います。
※ ある方にこの記事ならびに現物をおみせしたところたいそう喜ばれ、さっそくこれ(=左の組み合わせ)を象嵌に用いてのくり物のご注文をいただきました。 中と右のご注文も承りますので、ご希望の方はメールください。