経机の修理

 

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酒田市内のある方のお宅で、仏壇前に置いて使われている経机の修理を頼まれました。4本ある脚の1本が折れてしまい、上に置いていたものがみなひっくり返ってたいへんなことになったそうです(もちろん当工房で製作した机ではありません)。

工房に持ち帰って仔細に点検してみたところ、脚の上端に埋め込んだホゾを地板のホゾ穴にただ差し込んだけで、しかもホゾ穴の大きさに比べホゾが若干細いため、折れてしまった1本以外にもすべての脚がすこしぐらついていました。写真でもすぐわかるようにそもそもが外向きに反っている脚なので、ただでさえ横向きの力がかかります。これでは正確にホゾとホゾ穴を作りよほどしっかりとホゾ組をしない限り強度的に無理があります。

しかも驚いたことに脚を抜いてみると、ホゾのゆるみをいくらかでも抑えるためかセロテープを巻いていました。はじめからだったのか、一度ゆるみが生じたので誰かが以前に巻いたんでしょうか? 酷すぎますね。

折れたホゾを除去し、他のホゾも厚みを調整してかたく打ち込みました。

今回の経机は紫檀の突き板を合板(一部はMDF?)に貼った既製品のようですが、まあなんとか修理をすることができたのは不幸中の幸いでした。ものによっては修理不能な場合もありますし、たとえ修理できても新品を買うより高くつくこともあります。

 

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