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木箱4個

 

11月2〜8日に、酒田市のデパート「清水屋」の画廊で開催する個展は、一品物の新作の刳物(くりもの=厚板を掘り込んで作る器類)30数点をメインに展示販売します。黒柿や栓・タモ・トチ・カエデ・ウォールナットなどの樹種にかわった杢が生じた希少料を用いて、丸形や角形や楕円形・多角形といったかたちの蓋つきの器にしています。蓋のほうが圧倒的に目立つので、見た目としては蓋のほうが主役といっていいでしょう。

材料が先にあって、その材料のどこをどう切り取ったらいちばんその材料が活きるかという観点で作り始めるので、すべて一点かぎりの品です。当然ながら保管用の箱もその品に合わせてひとつずつ作るので、思いのほか時間がかかります。木箱の材料はみなスプルス(ベイトウヒ)という北米産の針葉樹で、無地の柾目板を使用しています。

今回できた箱は、たまたま中に納める蓋付刳物の寸法がだいたい同じくらいの大きさだったので箱の寸法もみな同じで、220×220×59mmです。通常は1箱ずつ寸法が異なるのですが、今回は4個同じものということもあり、わりあいスムーズに作ることができました。それでも1箱あたり3時間弱かかってしまいました。

単なる木箱とはいえ、中に納める品物のレベルに応じた水準が必要です。箱が貧弱で粗雑だとがっかりするでしょうから。

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佐藤真生の世界展 「間(Ma)」

 

9月4日(日)まで開催中の佐藤真生の世界展 「間(Ma)」に行ってみました。写真では見たことがあるのですが、実際の作品を目で見ると「すごい!」としか言えないくらいすばらしいです。

佐藤真生(さとうまさお)氏は1963年生まれの酒田市出身で、酒田東高校を卒業後に東京芸大美術科へ。若手の実力派として注目され、数々の賞を受けています。最近では油彩画だけでなく立体・映像・インスタレーションなど、広い分野への進出もみられます。

下の1枚目の写真と最後の写真は立体作品の「金魚」ですが、樹脂ベースに着物の古布を貼付けたもので、なかなかのインパクト。絵もじつに細かいところまで描きこまれており、また摩訶不思議な添え物がちらと顔をのぞかせていることもしばしばで、これはなんといっても実見するべきでしょう。絵に鳥海山や庄内浜がよく登場するのも、地元の人間としてはくすぐられるものがあります。氏にとっても原風景なのでしょう。

作品の撮影も、携帯電話などではなくカメラで、ストロボなどを使わずまた他の観客のじゃまにならないように配慮すればオーケーとのことでしたので、この種の展示では珍しくゆっくり撮影することができました。あまり混まない曜日や時間帯をねらって訪れることをおすすめします。

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庭の花 5

 

恒例のわが家の庭の花です。玄関に置いた鉢植えの花も含まれていますが、この暑さにも負けず、いつも何種類かの花が咲いています。

 

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黄刺大鳳玉(サボテン科アストロフィツム属)径7cmほどの紅底の黄色の大きな花だが、2日くらいで萎むのが惜しい。20年ほど前に通販で求めたサボテンのひとつだが、環境が変わるたびにいじけて形もいびつになっているものの、なんとか生きのびている。

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リトルミッシー(ベンケイソウ科セダム属) 径6mmくらいの小さな花。赤茶色のはしぼんだ花。

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(キク科)

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トキンソウ(吐金草 キク科トキンソウ属) 地面に這うように生える1年草。筒状花のみからなる頭花は径3〜4mmと小さく色も地味なので、草姿とあわせてキクの仲間とはとても思えない植物。

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ムクゲ(アオイ科フヨウ属) 樹の丈はなかなかのびないが、花はたくさん。

DSCN8201_2 イワオトギリ?(オトギリソウ科オトギリソウ属) 草丈10cmほどで、ミセバヤの鉢にひとりでに生えてきたもの。葉や萼などに黒い油点があり、本種は鷹の傷の妙薬として用いていた兄が、その秘密を漏らした弟を斬った際の血しぶきとみなしたという伝説に由来するんだとか。花径は約15mmで一日花。

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シクラメン(サクラソウ科) 室内で2月頃に花が終わり、春から玄関先に置いていたものだが、また花を咲かせ始めた。葉数が多いので、灌水に注意しないとこの暑さでは枯れてしまいそうである。

 

青猫句会 2016.8.17

 

青猫句会 と名称をあらためての2回目の句会です。出席者は8名で、相蘇清太郎・今井富世・大江進・大場昭子・齋藤豊司・佐藤喜和子・土田貴文・南悠一の各氏。仕事の都合により投句のみがほか2名で、佐藤百恵、あべ小萩の各氏。計10名の参加でした。

句会のすすめ方はいつもの通りで、事前に2句を無記名で投句。当日は清記された二つの句群からおのおの2句ずつ選句します。作者名が明かされるのは披講と批評が終わってからです。以下の記述は当句会の代表(主宰)をつとめる私=大江進からみての講評です。異論反論も歓迎ですので、お寄せいただければありがたいです。では其の一から。

1 欠け月に撫でて弾けや二尺玉
0 雨蛙小川の水も涸れむとす
3 あきあかね水面の空を切りたがる
1 黒こげの少年の涙長崎忌
4 腑がひしめきおうて冷蔵庫
0 新盆の迎えし母にひとり耐ゆ
0 ぬけ空にカボチャもたどる運命あり
2 夏雷は蝶たちの交尾の真上
0 泣きべその汗疹に擦れる母の指
5 青田波さびしき陸の鯨かな

最高点5点句は<青田波さびしき陸の鯨かな>。一面の稲田が風に揺れ動くさまはまるで海原のようでもあり、それはまるで大きな生き物が移動しているようだと。鯨をどうとるかですが、私は海から一度陸にあがり、また海にもどった太古の鯨をイメージしました。しかし今もその鯨は夢の中で陸地を行き来する、目には見えない鯨なのかもしれません。とすればたしかにその存在はちょっと切ないものがありますね。私も取りました。作者は大場昭子さん。

次点4点句は<腑がひしめきおうて冷蔵庫>は、今の季節さまざまな雑多な飲食物や食材が、冷蔵庫からあふれんばかりに詰められている家庭も多いと思います。そのようすが内臓のようだということもありますが、それらもやがて人間の口に入り、人間の血肉になっていくであろうことも想起させます。中七で一度軽く切れるので、ひしめいている腑とはむしろ先に人の五臓六腑であるともとれるでしょう。作者は私です。

3点句の<あきあかね水面の空を切りたがる>ですが、アキアカネの仲間は比較的高いところを飛ぶので、オニヤンマやイトトンボのように水面にはあまりなじまない感じがします。空を飛ぶアキアカネが水面に写っているとも解釈できますが、そうだとすれば座五を「切りたがる」としないで、ずばり切ってしまったほうが句意は鮮明になります。作者はあべ小萩さん。

2点句<夏雷は蝶たちの交尾の真上>は、賛否がわかれるでしょう。私も取ったのですが、雷と蝶の取り合わせはおもしろいのですが、「〜の真上」とまで言ってしまったのはむしろ損していると思います。「交尾」という語が出てきたので「真上」なんでしょうが、雷が鳴ろうがどうだろうがそれとは無関係に蝶が番っているとしたほうがインパクトがあると思います。また「雷」は夏の季語なのでわざわざ「夏雷」としたことや、「蝶」は基本的に春の季語ではないのかというような違和感を覚える人も少なくないでしょう。作者は南悠一さんです。

1点句<欠け月に撫でて弾けや二尺玉>ですが、表現がとてもぎこちないように思われます。「欠け月」も造語ではないにしても、どのような月なのか読者はぴんと来ません。もし三日月のような尖った月であって、それに花火玉が触れてはじけるようだということであれば、もっと月の形態を明らかにしたほうがいいでしょうし(実見とはちがったとしても)、「撫でて」ではなく当然「触れて」でしょう。「弾けや」としたのも感心しません。僭越ながら私なら<二日月ふれてはじけり二尺玉>ですかね。作者は土田貴文さん。

無得点句ですが<泣きべその汗疹に擦れる母の指>は句意がいまひとつはっきりしないものの、なにか気になる句です。「汗疹」に「擦れる」ですからちょっと痛々しい感じで、それが何を示唆するのかはわかりませんが。作者は佐藤百恵さん。

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若干アクシデントがあって句会の開始が1時間近く遅れたので、すこし駆け足の句会になってしまいました。さて其の二です。

1 初秋の木の間木の間に水の音
1 広々と田主(たにし)もすまぬさびしさよ
2 初盆の避暑地となれり祖母の庭
2 短夜に待ちわびたかぜ紙とばす
3 かき氷嶺をくずして登攀す
1 打ち水にひんやり響くチェロの音
0 瀑布なすフロントガラスや雲の峰
4 空蝉の並びて空へ飛ぶつもり
0 八月や父の戦記を読み返す
2 顔寄せて陽を浴びてをり百日草

最高点は4点句の<空蝉の並びて空へ飛ぶつもり>ですが、私も取りはしたものの不満があります。まず「空蝉」はすでにセミが羽化して空になったものなので飛ぶことはありません。もちろん俳句は文学ですので科学的事実と異なる表現があってもいっこうにかまわないのですが、それならば座五を「飛ぶつもり」ぬるくしないで、いさぎよく飛ばしてしまったほうがいいでしょう。そうすればすっきりします。「フィクション+のつもり、のようだ、とならん、……」といった表現は、せっかくの面白いフィクションを薄味にしてしまう場合が多いと思います。作者はあべ小萩さん。

次点3点句<かき氷嶺をくずして登攀す>は、ただ単純にあっけらかんとした俳味があって、こういうのもいいですね。私も取りました。私は冬山も登っていましたので氷雪の登行は実感があります。「登攀」とあるので、高く大盛りにしたかき氷でしょうか。作者は南悠一さん。

2点句は3句あります。はじめの<新盆の避暑地となれり祖母の庭>ですが、お盆で帰省した子や孫たちでしょうか。大人たちの気の重さをよそに、くったくなく庭ではしゃいでいる子供たちのようすが目に浮かびます。いくらか川柳っぽくもあり、読みようによってはかすかな毒を感ずることも。作者は佐藤百恵さん。

つぎの<短夜に待ちわびたかぜ紙とばす>は、「短夜」と風を待望することがすんなりとはむすびつきませんし、それで吹いてきた風が紙をとばしたというだけでは「だからどうした」と言われてしまいそうです。「待ちわびた」がよけいかな。作者は土田貴文さんです。

つぎの<顔寄せて陽を浴びてをり百日草>は、もしかすると中七で切れ、顔を寄せているのは百日草ではないのかもしれませんが、判然としません。百日草はメキシコ原産のキク科の一年草で花期が長いのが特徴のようですが。作者は相蘇清太郎さん。

1点句も3句あります。<初秋の木の間木の間に水の音>は樹々が生い茂った渓畔の道の情景が浮かびます。「の」の断続もおもしろいです。しかし情景描写そのままで単に事実報告と受け取られかも。作者は大場昭子さん。

つぎの<広々と田主もすまぬさびしさよ>は問題句といえます。作者=今井富世さんは「田主」に「たにし」とルビをふっており、田螺というよりは田の神様の意味をこめているとのことですが、読者にはそれはほとんど伝わらないと思います。本人から詳しく説明されないとわからないのはやはり問題でしょう。句としてもむしろストレートに「田螺」としたほうがいいと感じます。

<打ち水にひんやり響くチェロの音>は打ち水とひんやり、チェロと響きも、ふたつとも付きすぎですね。作者は齋藤豊司さん。

無得点句の<瀑布なすフロントガラスや雲の峰>はじつは私の句です。入道雲がわきあがっている空の下を車で走っていると、対向車のフロントガラスなどにそれが写って巨大な瀑布のように猛烈な勢いで去っていくようすを詠んだのですが、ちょっと分かりにくかったですかね。

 

夏休みの自由研究

 

小学校5年生の夏休みの自由研究として全紙2枚にまとめた「遊佐町のジオサイト」です。遊佐町内のジオサイトである三崎公園、釜磯、十六羅漢、牛渡川・丸池様、胴腹ノ滝、二ノ滝渓谷、庄内砂丘の8カ所、いくぶん遊佐町からは外れますが酒田市の玉簾ノ滝、鶴間池の2カ所で、計10カ所を半日×3回にわたって巡りました。

メモを取り、スケッチをし、写真を撮りましたが、まとめにあたっては正直のところ子供だけでは無理なので、説明の文言などは私がチェックしています。基本的には子供向けのものですが、大人でも各地の特徴をざっとつかむことができると思いますが、いかがでしょうか。

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ジオパーク現地審査

 

8月13〜15日に、申請中だった「鳥海山・飛島ジオパーク」の現地審査が行われました。日本ジオパーク委員会から3名の方に実際に当地においでいただいて、3日間にわたってガイド研修生が模擬的なガイドを行いました。想定は「はじめて当地を訪れた一般客」です。審査員をそのような人たちと仮にみたてて案内・説明をおこなうわけです。飛島や鳥海山やその周辺のことをよく知らない、地学などの科学的な専門知識も持っているわけではないお客に、どのようなガイドを行ったらジオパークとしての飛島や鳥海山を理解してもらえるか、興味関心と好感を抱いてもらえるかを試してみるということです。

言うまでもありませんが、予備知識などを持っていない人に一から説明するのは、そうでない人に向かって説明するよりずっと難しいですね。まず専門用語はほとんど使えません。人名・地名などの固有名詞もあまり使えません。どうしても使わざるをえない場合は、その言葉自体の説明をまずしないといけないからです。おまけに3日間で20カ所くらいのジオサイトを回るので、時間は非常にタイトで、分刻みのスケジュールです。

私は遊佐エリアで、遊佐町中心部の「元町自噴井戸群」、湧き水で有名な「胴腹ノ滝」と「釜磯」のガイドを担当しました。前2者についてはバスの中での説明、後者は現地で行ったのですが、持ち時間は3つ合計で35分しかありません。そのため、口頭だけではなく写真や絵図のフリップや、溶岩流の模型なども自作しそれらを駆使しながらの説明です。他のジオサイトでもそれぞれ同様の工夫をされていました(下の写真は私が審査にそなえて用意した自前の写真や絵や模型です)。

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審査はもちろんガイドの案内・説明が本番でも耐えられるような水準に達しているか、事務方などのサポートがちゃんとできているかといったことを主に見るようですが、このお盆の時期はどこに行っても観光客がいっぱいで、そういった混雑のなかで安全管理や誘導をどうしているかということもチェックするようです。

現段階で全国で39のジオパークがあるのですが、鳥海山・飛島はそれに無事加わることができるでしょうか? 審査の結果は9月9日には出るようです。

 

コーヒーブレーク 85 「キーゼルバッハ」

 

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扇風機暑ければ風来たりけり

[せんぷうき あつければかぜ きたりけり] 先日は暑かった。あんまり暑くてなにもする気が起きない。ニュースでは37℃を越えたらしい。つまり体温より高いわけで、じっとしていても汗がにじみ、すこし動いただけで汗が流れる。汗かきの私は、暑さ自体よりも汗に参ってしまう。/自宅にはクーラー(エアコン)はないので、一部屋に一台という具合で扇風機を使っているのだが、37℃以上にもなると扇風機の風もそれほど涼しさを感じない。かいた汗の蒸散作用を助けてはいるのだろうが。

左脚つぎは右脚かひきがえる

[ひだりあし つぎはみぎあしか ひきがえる] 山中の某所に以前はよくヒキガエルがいた。この時期、行くと何匹かの彼(彼女?)に出会うことがあり、その堂々とした態度や一匹ずつ異なる色合いや模様を観察するのを楽しみにしていた。ところが一昨年くらいから姿が見えなくなってしまった。初めはたまたまかと思ったが、何度訪れてもそれからまったく出会わなくなってしまったので、おそらくなんらかの理由で消滅したのかもしれない。それが自然の摂理であるなら仕方がないのだが、万が一にも誰かが「退治」したのであるなら許しがたいことである。/ヒキガエルをただただグロテスクなものと毛嫌いする人がいても、それはそれでその人の感性なので別にかまわないが、人間に危害をくわえるおそれがあるわけではないのに存在そのものを否定するのはよくない。いやなら自分のほうがそうっと遠ざかればいいだけである。

狐花キーゼルバッハより垂れており

[きつねばな きーぜるばっはより たれており] ごくたまにではあるが、どこかにぶつけたりしたわけでもなく、のぼせたりしたわけでもないのに鼻血が出ることがある。鼻の奥にちょっとした違和感があり指先を軽くあててみると血がつーと指を伝い落ちてくる。たいした量ではないのでティッシュペーパーでも細く丸めて鼻穴にしばらく突っ込んでおけばそれで収まるものの、やはりすこしうろたえるところはある。/キーゼルバッハ部位は鼻中隔(左右の鼻の穴を隔てる間の壁)の前下部で、細かい血管がたくさん集まっており、また皮膚の浅い位置にあるので、ちょっとしたことで出血しやすい場所。名前はドイツの耳鼻科医ヴィルヘルム-キーゼルバッハによる。そういえば膵臓にはランゲルハンス島というのもあったな。

 

小型双眼鏡

 

小型双眼鏡です。一回り大きな双眼鏡は別にあるのですが、車などに荷物を積んで移動するとか、双眼鏡だけをもって近くを散策するぶんには問題なくとも、登山などの際にザックいっぱいに荷物を詰めて背負って歩く場合は、大きく重いのが難点でした。登山だと一グラムでも軽くしたいのが心情です。首から下げて起伏のある山道を歩くにはちょっと問題もあります。

子供(小学生)といっしょにフィールドワークをする際にはどのみちもう一個は必要ということで、やや軽量&コンパクトな双眼鏡を新調しました。いくつかのメーカーの各製品を検討したのですが、ユーザーの評価がいちばん高そうだったのが、このOLYMPUS(オリンパス8×25 WP2(2はギリシャ数字)です。フォレストグリーンのラバーコーティングも具合がよさそうです。スペックをあげると、ダハプリズム式、重量260g、防水、レンズ有効径25mm、明るさ9.8、アイレリーフ15mm、ひとみ径3.1mm、といったところ。

実際野外で使用してみるとなかなか快適でした。もちろん一段大きな、有効径32mmのKOWA  SV32−8に比べれば対物レンズの面積は半分強しかないので視界が狭く暗い感じはありますが、それは両者を比較するからであって、これ単独ではその軽量(ちょうど半分)さと収納時のコンパクトさを思えば充分な性能といえるでしょう。

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チョウジギク

 

先日、鳥海山南面の二ノ滝渓谷に行ったときに、二ノ滝の前の橋のすぐ近くで見慣れない花を見つけました。図鑑でみたことがあるチョウジギクかと思いましたが、帰ってからあらためて調べてみたら、やはりそれでした。

チョウジギクは漢字では丁字菊。キク科ウサギギク属の多年草で、日本固有種。山地〜亜高山帯の湿った谷筋に生え、葉は対生し無柄。頭花の柄が縮れた白毛で覆われているところがたいへんユニークで、一度みると忘れられない。頭花は筒状花のみで舌状花はない。稀産種ではないが、私ははじめて見ました。分布は主に本州の日本海側の山地とのこと(Amica mallotopus)。

他に渓谷ではダイモンジソウやオトギリソウ、ヤマハハコ、ミヤマトウバナなどが咲いていました。

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ポイズンリムーバー

 

毒蛇に噛まれたり蜂や虻などに刺された時に毒液をすばやく吸い取るための器具です。これで完全に毒を吸引できるわけではありませんが、山中などで応急処置をおこなうことができればその後に医療機関にかかっても経過を軽減させることが期待できます。

このような器具をポイズンリムーバーというのですが、通販でいろいろ探してみた結果、評価が高そうなもの、画像でみてもしっかりした作りであるようなものを選んでみました。もっと簡易なものは以前持っていたのですが、いかにも頼りない作りで材質も劣化している感じだったので、今回はジオパーク&ガイドの関係もにらんで新調することにしたものです。

写真は新規購入したフランスのASPILABOというメーカーの「ASPIVENIN」という製品です。注射器のような形ですが、先端に装着する透明のカップは4種類あります。使用法は、1)シリンダーの先にカップをはめ、ピストンレバーを引をひく。2)傷口にカップをあてがう。3)親指でレバーを止まるまで押し込む。4)皮膚の表面がカップ内に吸引されるのがわかる。5)一定の時間が経過したら、ピストンレバーをすこし引くと、容易に器具が皮膚からはずれる。6)吸い上げられた毒液を拭き取る。

肝心なのは4のバキューム効果による毒液の吸引時間ですが、取り扱い説明書には、「ジガバチ・スズメバチ・ミツバチは1〜3分」「カ・アブは20〜30秒」「スズキ目科の魚・クラゲ・オニダルマオコゼは2〜3分」「ヘビは3分」「クモ・サソリは1〜2分」とあります。この中でよく分からないのがスズキ目科の魚で、検索してみると、バラハタ・バラフエダイ・アオブダイ・イシガキダイ・イシナギといった魚のようです。もっとも海での魚採りなどいっさいしない私には無縁かもしれません。

本体の大きさはシリンダーを押し込んだ状態で長さ約11cmです。

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