木箱4個

 

11月2〜8日に、酒田市のデパート「清水屋」の画廊で開催する個展は、一品物の新作の刳物(くりもの=厚板を掘り込んで作る器類)30数点をメインに展示販売します。黒柿や栓・タモ・トチ・カエデ・ウォールナットなどの樹種にかわった杢が生じた希少料を用いて、丸形や角形や楕円形・多角形といったかたちの蓋つきの器にしています。蓋のほうが圧倒的に目立つので、見た目としては蓋のほうが主役といっていいでしょう。

材料が先にあって、その材料のどこをどう切り取ったらいちばんその材料が活きるかという観点で作り始めるので、すべて一点かぎりの品です。当然ながら保管用の箱もその品に合わせてひとつずつ作るので、思いのほか時間がかかります。木箱の材料はみなスプルス(ベイトウヒ)という北米産の針葉樹で、無地の柾目板を使用しています。

今回できた箱は、たまたま中に納める蓋付刳物の寸法がだいたい同じくらいの大きさだったので箱の寸法もみな同じで、220×220×59mmです。通常は1箱ずつ寸法が異なるのですが、今回は4個同じものということもあり、わりあいスムーズに作ることができました。それでも1箱あたり3時間弱かかってしまいました。

単なる木箱とはいえ、中に納める品物のレベルに応じた水準が必要です。箱が貧弱で粗雑だとがっかりするでしょうから。

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