フォトスタンドの木取

 

先日の個展で、「箱の宇宙」というテーマで製作した刳物の他に、ふだん製作している小物類も10種類ほど展示しました。その中で時計各種とフォトスタンドなどの予約注文をいただきましたので、さっそくその一部の製作を始めています。

まずはフォトスタンドAタイプの木取です。27mm厚のオニグルミの板から仕上げで20mm厚までもっていくのですが、原則として白太をのぞいて赤味だけを使います。2個分ずつ木取をし、一次下拵えの削りをして23mmにそろえて1週間程度養生します。木取する際、これまではベニヤ板の型を使って墨付をしていたのですが、それだと木目のバランスなどはいちいち型板を外してみないとわかりません。それでも用が足りなくはないのですが、やはりちょっと面倒。

そこで今回から透明なプラスチック板の型板を作って、それで木取をすることにしました。写真はその型板で、4mm厚の塩ビ板です。製品の仕上がり寸法より幅は6mm、長さは1個ぶんにつき6mm長くしてあります。木目を見ながら同時に切り取り線を記すことができるので具合がよくなりました。

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生態系に関する本3冊

 

まだ一部しか読んでいませんが、生態系に関する新たな知見に富んだ本3冊。たまたまオオカミが関係する本が2冊並びましたが、ありうべき生態系を考える場合のかっこうの素材のひとつがオオカミであるということです。

アメリカ合衆国では一度はほぼ全滅しかけたオオカミを、隣国のカナダから移入したのですが、そのいきさつや葛藤や矛盾、困難さなど、非常に多くの示唆に富んでいます。在来の動物の調査や保護管理すらろくにできていない日本が、オオカミの移入などとうていできるとは思えませんが、そのあたりのことはまた後日すこし詳しく書いてみようと思っています。

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大江進作品展『箱の宇宙』終了しました

 

11月2日から8日まで、酒田市の清水屋デパートの画廊で行っていた大江進作品展『箱の宇宙』が一昨日終了しました。多くの方からご覧いただき、まことにありがとうございました。さて、気になる結果ですが、大盛況とはいえませんが不振というわけでもなく、赤字はまぬがれました。展示していた品物以外のご注文の家具などで、新たなお客様を何人か得ることもできましたので、まずは成功の部類に入るかと思います(諸事情により具体的な数字は明かせませんが、ご容赦ください)。

写真は会期が終わり、撤収をしてきた車の荷室です。個展にむけてこの1年間心身ともにあわただしかったので、のんびり山を散策するなどして、また次の仕事の鋭意をやしないたいと思います。来春以降に酒田市でないところでの展示会も考えていますので、みなさまなにとぞよろしくお願いいたします。

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青猫句会 2016.10.19

 

毎月第三水曜日の恒例の青猫句会です。午後6:30〜9:00、酒田駅にほど近い「アングラーズカフェ」にて。参加者は相蘇清太郎・今井富世・大江進・大場昭子・佐藤歌音・佐藤百恵・佐藤や志夫(やは弓+爾)夫・土田貴文・南悠一、投句のみはあべ小萩・齋藤豊司の各氏で、合わせて11名でした。時間や会場の広さなどの都合も含めてですが、10名くらいの規模の句会が常時行えればいいなと思っています。

句会は其の一と其の二の二部にわけて行われます。
では其の一から。

2 息せざる永久の眠りやかくあらむ
2 羽黒蜻蛉コロッケ揚げる夕餉窓
4 しずしずとそそくさと蛇穴に入る
1 出る杭を打つのはたれぞ秋刀魚焼く
0 愁宵に「春怨秋思」紐を解く
1 いましばし命まぶしむ秋の蝶
6 杣道に朴の実ひとつ道しるべ
0 野良猫もシチューを食べる夜寒かな
2 秋潮に引き込まれるや臨港線
0 神風の逝きたる浜の桜貝

最高点は7句目<杣道に朴の実ひとつ道しるべ>で6点入りました。朴の実は長さ15cmはある紡錘形でごつごつした形をしています。落下した実は初めは赤味が目立ちますが、すこしすると茶色に変色し、ときに小動物の遺骸が落ちているみたいで驚くことがあります。杣道とは一般的な登山道や遊歩道ではなく山仕事をする人専用の細い道のことですが、その道に朴の実がひとつ落ちているというのは情景としてはよくわかります。しかしそれを「道しるべ」であると答えまで言ってしまっているのは、むしろ残念。朴の実が落ちていることのみにとどめたほうが読者の想像は広がるのではないでしょうか。作者はあべ小萩さん。

次点句は<しずしずとそそくさと蛇穴に入る>で、4点。哺乳動物にくらべ爬虫類や両生類などの動物はその生態・挙動が類型化されがちですが、よく観察すると一匹づつ個性があります。また当然ながらアオダイショウやシマヘビ、ヤマカガシなど、種類によっても違いがあります。「しずしずと」「そそくさと」という言葉を並列させることで、そのあたりの多様性と蛇に対する親しみのようなものも表現できているのではないかと思います。作者は私です。

2点句は3句あります、最初の<息せざる永久の眠りやかくあらむ>はこれだけでは永眠されたのが誰であるか、人なのか他の生き物なのか、はたまた擬人化されたなにかなのかわかりません。しかしいずれにしても作者は相手の最期を実際に自分の目で看取ったということでしょう。私もこの8月19日に14歳の愛猫トントを私の膝の上で看取ったばかりで、なんだか身につまされます。自分も最期はそういったかたちで死ぬことができればいいなと思いました。作者は相蘇清太郎さんですが、亡くなったのはお母様とのこと。

次の2点句<羽黒蜻蛉コロッケ揚げる夕餉窓>のハグロトンボは里の小川などで水面近くをひらひらとゆっくり蝶のように飛ぶ黒いトンボですが、私の家のすぐ近くを流れる川にもたくさんいます。その川にそって人家も建ち並んでいますが、そうした家の台所の窓から川が見えているのでしょう。揚げているのがコロッケであることもトンボが羽黒蜻蛉であることも、たいへんのどかな景でいいですね。私も取りました。ただ座五は「夕餉窓」は「夕餉かな」くらいにしたほうが音調はいいと思いますし、「窓」はいわずもがなでしょう。作者は齋藤豊司さん。

3つ目の2点句は<秋潮に引き込まれるや臨港線>は、本線から分かれた貨物列車専用の支線かなにかの鉄道でしょう。それが港まで続いているわけですが、場所によっては線路の向こうに海が見えており、まるで海が線路を引き込んでいるような案配という景でしょうか。空気が澄んでいて遠くまでよく見通せる秋だからということはいえるでしょうが、冬の荒海とかだとまた違った情感が醸し出せそうですね。作者は南悠一さん。

1点句は2句ありますが、<出る杭を打つのはたれぞ秋刀魚焼く><いましばし命まぶしむ秋の蝶>は、前者は常套的かつ陳腐なフレーズがぜんぜん効いていないし、後者は季語の「秋の蝶」の解説そのままになってしまっています。「命まぶしむ」という表現はいいですが。

点の入っていない句にも言及します。<秋宵に「春怨秋思」紐を解く>は春怨秋思がまずほとんどの読者にはわからないでしょう。誰もがよく知る言葉以外は使ってはいけないなどとは決して言いませんし思いませんが、この場合はその書の題名が活きているかどうかですね。<野良猫もシチューを食べる夜寒かな>は取り合わせはユニークでおもしろいのですが、「野良猫も」は「野良猫の」でしょう。「も」は注意を要する助詞です。<神風の逝きたる浜の桜貝>はまずもってこの句会のルールである「おおむね当季の季語を入れる」をふまえていません。桜貝は春の季語です。また神風は特攻隊などを意味するのだと思いますが、散った命が桜貝というのではあまりに感傷的すぎるでしょう。

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今回の出席者は9名で、投句は10句ですが、これを2時間半の句会で過不足なく批評しあうのはかなり難しいです。選句もたいへんですが、簡潔明瞭な評を行うのもたいへん。みんなの協力と主宰(私)と司会進行役(南悠一さん)の的確な采配が必要です。
では其の二です。

0 鳥群るる大樹の塒秋深し
2 願いごとはなし月面に流れ星
5 百の実の落つる音消す秋の水
1 群青に吸はれしこころ秋桜
1 名を呼んで揺れるコスモスただ一本
2 路傍なる案山子一つ目小僧かな
1 空蝉を弔うごとく風の鳴く
3 ぐみの実を濡らし光輪の滴る
0 母逝きて秋風吹くや渡り川
3 微睡みに宇宙遊泳し菊枕

最高点は3句目<百の実の落つる音消す秋の水>で5点入りました。けれども「秋の水」という季語は本来は澄んだ静謐な水ということなので、木の実がたくさん落ちる音が水音で消えるというのは無理があるように最初は感じました。しかし芭蕉の句のように、蝉がたくさん鳴いているからこそ山中の静かさがいっそう引き立つというような反転があると思えば、木の実の落下の音さえも吸い取ってしまうほどの静かな水面である、とも受け取ることができます。だとするとこれは佳句ですね。作者はあべ小萩さん。其の一に続いての最高点句で、合わせて11点獲得です。さすがです。

次点3点句はふたつです。<ぐみの実を濡らし光輪の滴る>(※ぐみは漢字ですが私のワープロソフトでは変換できませんでした。)は私も取りましたが、いつも散歩に行く月光川の川縁に生えているグミの実をイメージしたので、川の流水のきらめきが実に反射した様子を「光輪」と受け取りました。作者は南悠一さんですが、ご本人は砂丘地に生えているグミを詠んだようです。この句の場合の「滴る」は動詞として用いており先にグミの実が出てくるので、夏の季語とはみなさないでしょう。

次の、<微睡みに宇宙遊泳し菊枕>の「菊枕」は秋の季語で、乾かした菊の花を詰め物にした枕のことで、手元の歳時記によれば「菊枕は邪気を払い、頭痛を治し、かすみ目に効果があるといわれる」とあります。いまどき実際にそういう枕を使う人はいないかもしれませんが、「宇宙遊泳」と取り合わせることでおかしみが出ました。作者は齋藤豊司さん。其の一での羽黒蜻蛉の句もそうですが、従来の句とはちがって地に足がついてきた感じがします。

2点句はやはりふたつです。<願いごとはなし月面に流れ星>は、ほとんど真空に近い月面では星屑も尾を引くことはないので、実際的に願い事を唱えるのは不可能。しかしまあそういった客観的な話ではなく、きわめてリアルにこの現実のみしか信じていない、あの世とか神様などというものはいっさい志向しないのだという強い人生観があらわれているかもしれません。作者は私です。

次の2点句<路傍なる案山子一つ目小僧かな>は、いまや稀な存在となってしまった田んぼの案山子を詠んでいます。昼日中はともかく、夜真っ暗なときに車のライトなどに突然浮かび上がる案山子、しかも伝統的な蓑をまとったへのへのもへじの案山子ではないマネキンに現代の衣装を着せて、などとなるとどっきりします。一つ目小僧とすることで衝撃がやわらいでしまいましたが、いっそ磔刑かもとしたほうがいまの世情にはあってるかも。作者は佐藤や志夫さん。

1点句<群青に吸はれしこころ秋桜>は澄んだ秋の空を背景に咲くたくさんのコスモスでしょうが、景そのままでちょっともの足りないですね。次の<名を呼んで揺れるコスモスただ一本>もコスモスが出てきますが、こちらは視点は個性的でいいと思います。ただ「名を呼んで」ではなく「名を呼べば」でしょうし、「ただ」とまでいわなくともいいですね。<空蝉を弔うごとく風の鳴く>は空蝉自体が鳴くとしたらいいのでは? それに空蝉は夏の季語です。

鳥海山冬到来

 

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鳥海山の初冠雪は公式には10月10日となっており、その後は頂上付近の雪が消えたり降ったりしていました。しかし平地の気温がこのところ日中でも10℃を下回るようになり、自宅も工房も10日ほど前から暖房を入れています。(※ ほんとうの初冠雪は10月7日でしょう。わずかながら外輪山の一部が白くなっているのが観測されています。)

写真は11月1日の午後1時半頃のものですが、上のほうは完全に降雪です。中腹まで樹々が白くなっています。雪をかぶった紅葉はまたとても美しいものではありますが、さすがに寒さが身にしみるようになってきました。

 

大江進作品展『箱の宇宙』開催中

 

大江進作品展『箱の宇宙』開催中です。酒田市のデパート、清水屋4階の画廊「ミュージアム5」で11/2(水)〜8(火)の午前10時〜午後7時(最終日は午後4時まで)。今回は家具はまったくなく、厚板を掘り込んで蓋付きの箱にした一点物の刳物(くりもの)約40点がメイン、その他の数物の小物類がサブという展示内容です。

地元での開催なので友人知人の来訪が多く、その点での楽しみや緊張感もありますが、売り上げもまずまずといったところで、まことにありがたいことです。私はできるだけ会場に詰めるようにしていますが、平日は午後1時くらいからとなります。みなさまよろしくお願いいたします(写真は入口から時計回りに撮影しています)。

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角形の大きなお盆の荷造&発送

 

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当ブログの「オンライン販売」のコーナーに長らく載せていた、ウォールナット製の一枚板の特大のお盆です。先日、福岡市の方からご注文をいただきましたので、写真はその荷造りと発送の用意をしているところです。

この角形のお盆はサイズは幅680mm、奥行390mm、高さ(厚さ)46mmありますので、上のなにかを載せて運ぶといった用途にはあまり向いていません。一定の場所に据えて、上にいろいろなものを載せる、飾る、盛るといった使い方になります。こういったとくに大きなお盆は伝統的には「舟」と呼ばれてきました。

皿でもお盆でもなんでもそうですが、通常見慣れたサイズよりぐっと大きくなっただけで、形や作りは基本的に同じものであっても、なにか異質で特別なもののように感じられるところがおもしろいと思います。その差異といったことは写真だけではじつはとてもわかりにくいのですが、それにもかかわらず九州というはるか遠いところからご注文をいただけたのは、まさにインターネットならではという感慨があります。

 

個展の搬入と飾り付け

 

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本日夕方、明日から8日まで1週間開催予定の個展『箱の宇宙』の搬入と飾り付けを行いました。今回は刳物の蓋付きの箱約40点をメインとする展示で、大きい家具などはないので自分ひとりだけでなんとか間に合いました(家具中心の場合は人手を2〜3人頼まないといけないし、時間も実質2時間半程度と限られているのでかなりたいへんです)。

細かなところで不備はありますが、それは明日10時の開店のすこし前に行って直すことにします。ここまで来たらもうじたばたしても仕方がないですね。

 

個展の搬入準備中

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11月2〜8日の木工作品の個展『箱の宇宙』の搬入の用意をしています。会場は酒田市の清水屋の4階画廊「ミュージアム5」です。

写真は今回のメインの展示品である刳物約40点です。保管用の箱の材料としてよく使われる桐は当工房では最近使わないので、スプルスという北米産の針葉樹でこしらえた箱に、綿ブロードの専用の布で刳物を包んで入れます。その箱の蓋に電熱ペンで品書きをし、オレンジ色の平紐で結んでいます。色がオレンジなのは、黒柿の刳物が全体の3割くらいあるので柿の実をイメージしました。伝統的な焦茶や古紫などの紐よりモダンな雰囲気も出ます。

 

黒柿、黄檗、欅の刳物5点完成

 

11月2日(水)〜8日(火)に酒田市のデパート「清水屋」の4階画廊「ミュージアム5」で私の木工作品の個展を開催します。今回はあえて家具は含めず、厚板を掘り込んで蓋付きの箱にした刳物約40点をメインとする展示です。それでタイトルを『箱の宇宙』としました。

箱はたとえ釘打ちの簡単なものであってもなぜか惹かれるものがあります。ましてていねいに作られた指物や曲げ物や刳物の箱であればなおさらです。さらに蓋がしてあればもう言うことがありません。ごく小さな空間といえど閉じられた、他とは隔絶された独立した空間ということで、すなわちそれは宇宙です。

さてその個展に出す刳物の最後の品5点が完成しました。材種は3種類ですが、黒柿はともかくあとのふたつの樹種を漢字で書くとちょっと難しいですね。私は書けませんでした。欅(けやき)はいまは略字体で記すのがふつうになっていますし、黄檗(きはだ)の檗は旧字ではさらに上に草かんむりが付くようです。

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No.539 黒柿角形合蓋刳物 サイズは幅210mm、奥行72mm、高さ39mm、実の深さ16mm、蓋の深さ10mm。実と蓋は一木からの上下切り離しではないので、厳密には合蓋ではないという見方もあるだろう。蓋には孔雀杢が明瞭に表れている。 売切れ

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No.540 黒柿動物紋角形合蓋刳物 サイズは幅383mm、奥行88mm、高さ40mm、実の深さ16mm、蓋の深さ10mm。蓋の模様がイタチかなにかの動物を思わせるようなかわったかたちで、ちょうど眼のところには節の跡があるというのもできすぎだが、もちろんまったく偶然に出現したもの。黒柿で黒い模様はまだわかるが、この生き物の胴体の部分の白い模様はいったいどうしてできるのか? 全体にうっすらと縮みも入っている。

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No.541 黄檗変杢角型合蓋刳物 サイズは幅197mm、奥行120mm、高さ40mm、実の深さ20mm、蓋の深さ8mm。一見したところ黒柿のようだが、黒みはすべて年輪に沿って出ているので、年輪とは無関係に黒が生ずる黒柿とは様相が異なる。キハダの老体木にしわ状の杢+黒い変色(スポルト)という、きわめて稀な材料。渋くもあり、モダンでもある不思議な味わい。

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No.542 黄檗変杢方形被蓋刳物 サイズは幅195mm、奥行195mm、高さ48mm、実の深さ32mm。年輪に沿った黒い縞は非常に明瞭で、他と比べようもないほど独特のものである。実のほうはごくノーマルな柾目のキハダで、同じ樹種ながらこんなにも表情がちがうのは驚き。

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No.543 欅如鱗杢角形被蓋刳物 サイズは幅350mm、奥行252mm、高さ50mm、実の深さ32mmで、今回展示する刳物では最大寸法。A4サイズ(210×297mm)の書類が余裕で収まる。材料はケヤキの杢のなかでも最高級のもののひとつといわれる如鱗杢で、文字どおり魚の鱗を連想させるような細かい肌合い。皮革のようでもある。また木取は通常の場合と90度向きを変えて行っている(長手のほうが木口)のも珍しいと思う。