削り直し

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長さ168cm・幅80cm・高さ65cmのダイニングテーブルと、幅・奥行・高さとも38cmのスツールとを削り直し再塗装しています。テーブルは甲板、スツールは座板だけのリニューアルですが、刻印を見ると1991年6月とありますので、22年前に当工房でご注文にて製作させていただいた家具であることがわかります(ほかにベンチと椅子も作ったのですが、そちらはそのままです)。

さすがに長年の使用で傷や染み、反りなどが出ていたので、鉋できれいな地肌が表れるまでせっせと削り、サンディングペーパーをたんねんにかけました。またもとの甲板は耳付きの板だったのですが、白太の柔らかい部分が衝撃等で欠けてしまっているところがあり、ベンチでの出入りの際に衣類がひっかかることがあるということで、結局両方の木端=白太のほとんどを切り落として直線としました。

耳付きの板はたしかに趣はありますが、使い勝手の上では難があることは否めません。ことに湾曲・凹凸の程度が大きかったり白太部分が老け気味、あるいはそもそもが赤味に比べて軟弱な材種の場合は、普段使いの家具には不向きといっていいかもしれません。今回のテーブルはお客様からのご希望もあって耳付きにしたものであったのですが、はからずもそのことによるマイナス面もはっきり出てしまいました。テーブルやデスクなどはやはり直線のシンプルな形がいちばんです。

サイズ的には直線化する前の甲板の最大幅(奥行き)は90cm近くあったのですが、白太を落とした後の寸法は79.5cmです。家庭のダイニングテーブルとしてはこれだけあれば充分でしょう。「大きなテーブル」というと長さだけでなく幅もつい大きくしがちですが、使い勝手とすれば90cmくらいが限度で、それ以上大きいテーブルは相手との距離感がありすぎる、またはテーブル中ほどに置いたものを取るときも取りにくいなどの不都合があります。したがってもっとも実用的で使いやすい甲板の幅は85cm前後かと思います。逆に最小寸法は75cmくらいで、これより狭いと両面使いにした場合は食器等を並べきれないことがあります。

 

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