幅木と廻縁

建物の床面と壁との境目に付くのが幅木(はばき)で、天井と壁との境目に付くの廻縁(まわりぶち)です。絶対になにがなんでも必要というわけではありませんが、それらがあることで壁の破損や汚れを防止したり、見た目にすっきりした感じがする、施工上も楽といった利点があります。幅木や廻縁といった、異なる面の境界に付ける細長い部材=見切縁・見切材(みきりぶち・みきりざい)がいっさいない作りも可能なことは可能ですが、面材の端をすきまなくぴったりと納めなければならないので、施工にはたいへん神経を使います。かえって手間がかかる場合も多く、見た目のすっきり感とはうらはらにコスト的には逆にアップする要因となります。

今回の自宅工事では幅木は高さ35mm、廻縁が高さ24mmで、どちらも仕上がりの厚み=チリは10mmです。壁は12.5mm厚の石膏ボード下地がメインなので、それが挿し込めるように壁側が溝状になっています。今ではこうした見切縁も建材メーカーによる製品としてのパーツを工事業者が購入して、長さだけ切って取り付ける方法が主流になっています。安価なものだとみな集成材や木にみせかけたプラスチック製ですね。しかしわが家にはそういうものは使いたくないので、素材(アガチス=南洋杉)を大工さんに提供して加工してもらって取り付けています。窓枠や戸枠も同様です。

幅木や廻縁などは半分は装飾的な意味合いのものですが、一般的にはサイズが大きいほど、また複雑な形状のものほど立派だ上等だとされています。たしかにそれは一理あるかもしれませんが、なにごとも全体的なバランスの問題で、こんどのわが家にはそういう飾り物は似つかわしくありません。そのためいちばんシンプルな形かつ物理的必要の範囲で最小寸法となるように注文しました。小さすぎて逆に加工しづらいと大工さんはぼやいていましたが。

 

さて写真は天井と壁との境に取り付けた廻縁ですが、天井も壁も無地の白色仕上げの予定なので、塗装屋さんに廻縁は白くペイントしてもらう予定でいます。できるだけ目立たないように。壁の一部が色が違うところがありますが、これは個室の南側壁一面全体に本棚を取り付けるのでそれの補強です。本がぎっしり詰まった本棚が地震などで倒れてきたら死んでしまいかねませんから、建物本体に厳重に固定するつもりです。

 

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