当工房の旧ホームページでスポルテッドという材料についてはわりあい詳しく書いたことがあるので、できればそれをお読みいただければさいわいですが (→http://e-o-2.com/eo2_Old_Page/daydesignp132a.html → http://e-o-2.com/eo2_Old_Page/daydesignp133a.html )、そこで具体的に取り上げたのは国産のイタヤカエデとカシノキのスポルテッド材でした。今日ご紹介するのは同じカエデ類でもアメリカ産のソフトメープルです。
ソフトメープルというのも材木流通上の通称で、ハードメープルに対するソフト、つまり比較的軽く柔らかいカエデの総称です。シルバーメープル、レッドメープル、ビッグリーフメープル、ボックスエルダーといった樹種のようですが、写真の材料がなんという種かはよく分かりません。しかしながら、これはたいへんみごとな紋様です。
黒いランダムな筋と、それで区切られた微妙な色合いのモザイク。そのバランスが絶妙といっていいですね。自然界の偶然の産物なわけですが、まるで抽象絵画かなにかのよう。大きさは幅154mm、長さ600mmですが(写真は材料の全体像)、厚さは50mmとこの手の材料としては厚みがあります。薄板だとそれでしか使えませんが、厚みがあれば角材にしたりブックマッチに挽きわったり、それから旋盤や掘り物にも使えます。カットする場合はその位置や方向や角度によって紋様は大きく変化します。その変貌ぶりが楽しみでもあり悩みでもあります。