床下断熱材

工事中の新築の自宅は、全館床暖房の設計です。納戸とユニットバス、半野外の物置以外はすべての部屋の床下に温水循環式の床暖房用パネルが敷設されます。熱源は専用の灯油ボイラーです。

じつはすこし以前までは暖房の方法として床暖房は好きではありませんでした。身体が直に接するところがいちばん温かいというのはどうも違和感があったからですし、他の暖房方法にくらべとてもぜいたくなという気分的な抵抗もありました。昔ならその通りだったかもしれませんが、いまの床暖房はずいぶん改良されていてそれほど温度の高いお湯を回さなくても部屋は温かくなりますし、熱効率もよくなっています。

しかし床暖房にしたいちばんの理由は家族の健康上の理由です。妻も子どもも喉があまり丈夫ではなく、軽度ですが喘息持ちです。私とて喘息でこそありませんが、温度の急激な変化やほこりが舞ったりする環境ではくしゃみが止まりません。風邪をひいたときもほとんどは熱よりも喉の痛みで、いったん風邪をひくと半月以上も喉の調子が変です。

現在の借家はそうとうに古い木造で、あちこちに隙間があるので石油ストーブをたいてもまあ大丈夫ですが、新しい家ではそういうわけにはいかないでしょう。かといってエアコンはやはり大の苦手でそれはしたくない。薪ストーブは感覚的には心地よくても、コスト的にはいちばん高くつきますし普段の手入れがたいへんそうです。地中または床下スラブに蓄熱する方法も検討したのですが、シロアリ対策や電気(電力)の先行きが不安などで却下。

結局、子どもが6年間通った保育園が比較的新しい方式の床暖房で、送り迎えで私もずっとそれを体験していたことが決め手でした。これなら部屋の温度差も少なく、ほこりが舞うこともありません。音も静かです。空気も汚れません。室温をそれほど高くしないでも足元が温かいので快適に過ごせそうです。がんがん暖房して冬でも薄着ですごすなどというばかなことをする気はありませんから、ちゃんと着るものは着て暖房は控えめに、です。

他の暖房でも同様ではあるのですが、とりわけ床暖房の場合は断熱をしっかりやらないと効果がありません。エアコンその他の暖房のように寒いと思ってスイッチを入れたり設定温度を上げればすぐに温かくなるわけではないので、熱が無駄に逃げないようにいろいろと工夫が必要になります。窓はもちろん二重窓です。外壁はモイスTM+透湿防水シートのタイベック+断熱材裏打のガルバリウム鋼板、屋根は瓦です。構造材の間に充填する断熱材は天井と屋根は高密度のグラスウール、床下には硬質のスタイロフォームを使います。下の写真で土台や大引の間に入っている水色のものがそれです。

 

 

スタイロフォーム自体は床下用断熱材としてはごく一般的なものですが、当地域での標準は25mmまたは30mm厚だそうです。しかし床暖房の設計・施工をされる業者さんからのアドバイスで45mm厚に変更しています。既製品でその厚さのものはないということで、メーカーで作ってもらいました。もっとも値段は厚さに比例でいいとのことで、当初予定の5割増しですみました。

写真でもお分かりのように木部の間に隙間なくぴったり断熱材が入っています。土台と大引の上端から45mm下に受け桟を四方に回し、そこに断熱材をすこしきつめに落とし込んでいます。業者・工務店によっては「どうせ見えなくなるのだから」ということで隙間だらけのいいかげんな仕事をするところもあるようですが、それでは断熱材の意味が半減してしまいます。ここまできっちりていねいに施工してくれれば安心です。大工さんに感謝。

 

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