8/21の胴腹ノ滝&一ノ滝

 

上の写真は8月21日午前11時56分の胴腹ノ滝ですが、晴天昼時の林の中の写真は明暗差がありすぎて撮影が難しいです。肉眼では主観的に対象を切り取り明るさや焦点などを自動的に巧みに調整するのですが、機械(カメラ)はそんなことは原則できないので、明るいものは明るいままに暗いものは暗いままに客観的に平等に写します。色合いや大きさも機械的にそのままです。したがって目で見たときは大きく鮮やかに感じられていたものが、それを写真に撮るとがっかりすることがしばしばあります。

さて胴腹ノ滝のこのときの湧水温は右・左ともに9.0℃で、前回8月13日と変わりません。滝の前の気温は26.9℃と、平地とは5℃ほど低く涼しいです。水量は7/26→8/3→8/13→8/21と、差は小さいもののずっと下がり続けています。月光川や日向川の本川中流域は晴天続きのために水量が大きく低下し、流れが分断しそうなほどになっていますが、湧水100%の胴腹ノ滝はさすがにそれほどの変化はありません。

 

胴腹ノ滝の水温などを計り水も汲んだところで、ちょうど昼時になったので二ノ滝の駐車場まですこし足をのばしてみました。車を置いて5分ほど歩くと一ノ滝神社がありその先に一ノ滝が大きな音を立てています。雪解けの季節も終わり水量はだいぶ落ちていますが、それでも落差15mほどの垂直に落ちる滝は迫力があります。崖の途中まで鉄骨からなる展望用の階段があるので、滝の近くまで行って眺めることができます。この渓流は月山沢といい、月光川の本流筋にあたります。一ノ滝、二ノ滝、三ノ滝をはじめたくさん滝があり、鳥海山中でも有数の渓谷美を誇っています。

写真でおわかりのように滝壺の上のオーバーハングした崖は、上のほうが岩盤で下のほうが赤土まじりの岩石です。ふつうの地層であれば上が土っぽくて下が硬い岩になっているわけですが、ここでは逆です。これは山体崩壊などでぐずぐずになった土砂岩石の上に、大昔に鳥海湖あたりから流れ出した溶岩流が厚くかぶさったためです。しかし雪解時や大雨が降った後などに発生する膨大で激しい落水によって、この柔らかい地層が先にえぐられてしまいます。現在の一ノ滝ももうすこし浸食がすすむと上の岩盤が持ちこたえることができなくなって崩落するでしょう。実際滝のすぐ下流右岸の崖(神社側)の一部が最近崩れています。

3枚目の写真は一ノ滝の滝壺のアップですが、水の透明度がとても高いことや、水深がかなりあることがはっきり分かりますね。滝壺のまわりの岩の大きさから比べてみてですが、たぶん5m以上の深さがあるのではないでしょうか。

 

 

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