新型キャラバン

私がいま乗っている車はニッサンのバネットのハイルーフ・4WDで、1BOXの商用車(バン)としてはハイエースやキャラバンなどに比べ一回り小さい車です。仕事用の車と私用の車を使い分けるなどという金銭的余裕はないので、このバネットで買物でも納品でもなんでも出かけるのですが、全長は約4.3mと普通乗用車と変わらないので取り回しは楽で、道幅や駐車に苦労するようなことはありません。

ただ荷室の大きさは最大で長さ2260mm、幅1480mmしかなく、その上壁面上部がへんに丸みを帯びていることやタイヤハウスの出っ張りがあるので、有効寸法は思ったほど大きくはありません。通常の家具であれば、例えば長さ2m弱のテーブルや普通サイズの戸棚などは積めますが、木材関係となるとたいてい長さ2.2〜4mくらいが多いので、バネットはほとんど役にたちません。

さて新型キャラバンです。トヨタのハイエースと日産のキャラバンは車格としては同格でありライバル同士なのですが、旧キャラバンはデザイン的にも荷室の使い勝手からいってもハイエースにかなり負けています。実際の売れ行きもハイエースに大きく水をあけられているようです。ハイエースは仕事車としてだけでなくプライベートで乗っても「さま」になるのですが、旧キャラバンはプライベートで乗るにはあまり似合わない、かっこよくないと感じます。見た目にちょっと古くさいもっさりしたデザイン。「このままではいかん」と日産は奮起したのでしょう、最近発売になった新型キャラバンは印象ががらりと変わりましたね。ハイエースのように荷室も無駄の少ない箱形だし、フロントマスクや運転席などもあまり商用車っぽくありません。

たぶんこんどのキャラバンは売れると思います。ハイエースをそうとう程度に追撃するでしょう。しかし私は個人的にはまだまだ不満があります。それは仕事車としては依然として中途半端だと感じるからです。荷物を積むことを考えたら荷室の側壁や後壁は完全に垂直であるべきです。また荷物を固定するフックやレールなどはぜんぜん足りません。申し訳程度にそれらの仕掛を付けるのではなく、ほとんどあらゆる職種に対して後からの改造なしで間に合うくらいの仕掛を標準で備えるべきでしょう。

なにしろ本分は仕事車ですから、これでもかというくらいに仕事車に徹したほうが逆にかっこいいのです。高性能の本職用の手道具や機械がそうであるように、本物の道具はアマチュアが手にしてもそれなりにかっこよく見えるし持ち主の心をいたくくすぐるところがあります。新型キャラバンはどうせならそこを目指すべきでしたね。(※写真はインターネット上のカタログ?から拝借しました)

 

 

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