胡桃の机

 

ご注文をいただいて作ったオニグルミの机です。大きさは幅1300mm、奥行600mm、高さ628mmで、やや小ぶりのサイズです。奥行はあまり深くありませんが、個人の机として使用するのであればこれで間に合います(対面でかつ食卓としても使う場合は最低750mmは必要です)。

甲板(天板)は同じ丸太から採った共木で、ほぼブックマッチ的な板を2枚矧ぎ合わせています。脚部はシンプルな4本脚ですが3面にテーパーをほどこし。幕板と脚、幕板と中桟(根太)の接合は例によって大入通しホゾのクサビ打ち込みです。通しホゾの頭はそれぞれ1.5mm出ていますが、これは材料の伸縮の差をのがすためと、クサビの効き代を増すためです。木口が濃色になるので、構造上必要な措置が見た目のアクセントにもなっています。飾りのための飾りではなく、構造そのものが飾りにもなるというのがベストかと思います。

強度だけでいうなら、脚同士は幕板だけでなく下のほうに貫も入れたほうが確実に丈夫になりますし、事実ほかでは机・デスクの場合はそういう構造のものが少なくありません。ただそれでは見た目に鈍重な感じになってしまいますし、将来的に他の用途に転用する場合は、その貫がじゃまになりかねません。お客様からどうしてもという強いご要望があるのでないかぎり当工房では貫なしのすっきりした作りにしています。けれどもそのせいでぐらぐらしたりしては困るので、とくにホゾとホゾ穴などの加工は念には念を入れて慎重に行っています。

 

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