親戚筋から「子どもに」といただいたもの。しかしこれはちょっと、呆然とするくらいひどいです。三葉葵の紋と「白虎刀」という文字が記されているので、おそらく福島県会津若松市のお土産品だと思うのですが、さやは接着が切れてばらばらになっているし、つばも外れかけています。角々の面取りもほとんどされていなくて、掌を滑らせたりすると怪我をしてしまいそうです。刀身を握りに止める目釘も頭が2mmくらい飛び出していました。
こんな壊れてしまっているものをくれた、というよりも、私が木工の仕事をしているのを知っていてきっと直してくれるだろうと判断したのだと善意に解釈することにしました。で、さっそく工房に持って行って修繕したのですが、見れば見るほど雑な作り。いくら子ども相手(?)の土産物だからといってこれはないでしょう。
この刀の玩具にかぎりませんが、観光客相手の土産品は程度の低いものが多いですね。旅先での一回かぎりのお客だと思うからでしょうが、しかし今は昔に比べれば情報網が発達しているので悪い話はすぐに広まってしまいます。逆にまともな品物であり良いものならば自分でも、あるいはその土産をもらったほうでも別の機会にまた買ってみようと思うかもしれません。そう感じてもらえるような上質な品物を作り販売するほうが、長い目・広い目でみればほんとうはそのほうが商売上でも得策なはずだと思うのですが。