先日12月22日に記事にしたカヤの木の裁縫板ですが、一昨日ばらして材料の検分をしました。幅30cmくらいの板を2枚、裏側5カ所でボルトを半ば埋め込む形で接合してあるのですが、表のほうはその接合箇所を中心に何カ所か、節穴等の目隠しを兼ねたチギリ様の埋木もしてあります。
甲板の接合には接着剤も併用していますが、これはニカワ(膠)ですね。強く叩くと木地はさして傷つくことなく接合面ではがれてしまいました。現在の接着剤に比べるとやはり強度はだいぶ落ちると思います。ボルトはおそらく戦時中の物資不足の中でなにかの転用らしく、軸径も7〜7.5mmと不揃いで、ナットも厚みや外径が同じではありません。ワッシャーは板金を四角く切り出したようで、これも正確な長方形ではないです。
最初は、ボルトやナットにはかなりサビが浮いていたのでうまくナットを回せるかどうか危ぶんだのですが、潤滑油を浸透させたり、片方のナットが外れたボルトを、モンキーレンチでつかめるようにディスクグラインダーですこし軸面を平らに削ったりしてなんとか外せました。
裁縫板の下方にはすり脚と道具入れの箱が左右に付いていたのですが、再利用できるような材料・作りではなかったので、ばりばりと壊して取ってしまいました。左上に積んである残骸がそれです。また後方中央に立てかけてあるケヤキの板は、Tさんが同時に持参されたもうひとつのほうの裁縫板の甲板で、これもこんどカヤ主体で製作する家具の一部に再利用する予定です。
これらの材料で家具を作るのは2〜3か月ほど先の予定ですが、新材で作るのと違って古材は不確定・不明な要素が強いので、とりあえず先行して材料の検分をしたということです。これをやっておかないとはっきりした見通しが立ちません。