大槌町&遠野市行の2日目(11/26)です。前日泊まったたかむろ水光園をあとにして、まず「遠野ふるさと村」に向かいます。ふるさと村は1997年に開園した野外博物館で、広大な敷地に古い南部曲り家を移築しかつての山里のようすを再現しています。
ここのビジターセンターで、NPO法人 遠野山・里・暮らしネットワーク、遠野民泊協会の方から、約20年にわたる一般農家等の宿泊者受け入れについての説明をおききしました。現在110軒の農家が受け入れ可能だそうで、南隣の住田町にもさらに34軒の協力がある。とくに4〜5年前から民泊が盛んになり、ワーキングホリディというスタイルやドライビングスクールとの提携など、さまざまな取り組みをされているといいます。遠野市全体が一大観光地みたいなものですが、お盆の頃は帰省客も含めて人口が2倍くらいになるそうですから驚きます。またいわゆるIターンやUターンの人も増えており、農業を始めたり、インターネットや交通網の普及を利用しての翻訳業や作家、写真家といった仕事の方も少なくないようです。
質疑を含めて1時間半ほどのレクチャーでしたが、宿泊等の受付窓口の仕組みや料金やその精算方法、旅館やホテル等とのかねあいなど、かなり詳細な実態まで教えていただき、たいへん参考になりました(まあ遊佐町と遠野市とでは直接的な競合はないでしょうし)。
それが終わってからは園内の曲り家で、こし餡を餅米粉で卵形にくるんだ湯団子の「けいらん」という、昔ながらの郷土食(菓子)作りを体験し、昼食もいただきました。私の感想では昨晩のたかむろ水光園のものよりおいしかったです。下の写真は炭俵を積んだ荷車ですが、車軸以外は木製で、こういった型のものは珍しいのではないでしょうか。
午後からは遠野山・里・暮らしネットワークの事務局の方の案内で、民泊に参加している実際の農家を2軒訪問しました。奥寺晴夫さん宅と菊池喜久子さん宅ですが、これも宿泊やワーキングホリディの農作業手伝いの実際のようすを具体的に説明していただき、非常に参考になりました。とりわけ印象的だったのは奥寺さんの「自分よりもっと技術知識にひいでた人はいるが、子どもや学生への応対が上手とは限らない」「きちんと説明すれば刈払機やトラクターの操作もやってもらってだいじょうぶ」といった言葉です。たいへんだから心配だからやらないのではなく、前向きに解決していこうとする姿勢がすばらしいです。スポーツでいえば一流のアスリートよりも一流のコーチやインストラクターがいまは必要なんだということでしょうか。
午後2時半くらいに遠野市をあとにして帰路につき、7時半頃に遊佐町にもどってきました。来るときとちがって天気もよく、晩秋の景色を眺めながらのロングドライブでしたが、いろいろな意味で収穫があったと思います。私は往路・復路ともにパネルバンに同乗したのですが、運転は他の人に全部やってもらったので恐縮しきりです。ずっと以前は2トン4トンのパネルバンを自ら運転して東京あたりに家具の納品に行ったりしていたんですが、もう自信がないです。