切断機とはまたずいぶん大雑把すぎる名前です。材料を切断するための機械はたくさんあり、当工房で使用しているものに限っても丸ノコ、充電丸ノコ、スライド丸ノコ、ジグソー、レシプロソー、チェーンソー、ディスクグラインダーがあります。これらはAC100V電源または充電池の可搬型の機械ですが、200Vの据置型の大型の機械も含めれば、昇降丸鋸盤、バンドソー、パネルソー、糸鋸盤もそうですね。ところがなぜか写真のようなタイプの、切断用砥石をモーターで回転させその上下動で主にパイプやアングルなどの金属類をカットする機械を伝統的・慣習的に「切断機」と呼んでいます。
機種はマキタの2414NBで、14型、つまり切断砥石の直径が14インチ=約355mm(厚さは4.5mm)の大きさの切断機ということです。金属類が対象なので手前のバイスでがっちり材料を締め付けて切るのですが、そのバイスは材料の大きさが異なってもスピーディーに移動できるようにクイック式になっています。単相交流15A、1430W、3800回転/分、重量16.2kg、外形寸法500*280*600mmといった仕様です。
当工房ではほとんどが無垢の木材相手の仕事で、金属類を切断することはめったになくまた量的にも少ないのですが、だからこそなのですが外注してもなかなか思うようには切ってもらえないことが多いです。パイプを1本2本切るのでは、それは業者は内心嫌でしょうね。それで思い切って先日切断機を購入しました。近々予定している仕事でちょうどステンレスパイプ&丸棒を切る必要があるためです。
木工房と金属加工はじつは相性がとても悪いです。鉄であれアルミや真鍮であれ、金属を切ったり削ったりすれば必ず金くずが出るわけですが、それがうっかり木に付着したり食い込んでしまうとその木を切ったり削ったりしたときにたちまち刃が痛んでしまいます。とくに当工房の作業場は三分の二くらいが板張りにしてあり座業主体で家具などを作っているので、その床面に金属屑は厳禁です。切断機も盛大に火花が飛び散るので注意が必要です。
したがってこの切断機を使用する際は、コンクリートの土間に機械を置きまわりを厳重に囲うか、野外で使用することになると思います。なおメーカーがマキタなのは、ベストかどうかはともかく「マキタなら大きな外れはないだろう」という安心感からです。切断機はなんでもいいならホームセンターあたりで1万もしないようなものもありますが、見るからに作りが雑で、とうてい買う気はしません。