泉をきれいに

湧泉・湧水を調査していてときどき落胆することがあります。せっかくすてきな泉なのに汚れていることがあるからです。来訪者が捨てた紙くずやら煙草やら食べ物の残りなどは論外ですが、枯枝や落葉や倒木などで水面がふさがっていることが珍しくありません。

その湧泉がまったく山中の人知れない存在なら、人間が眺めてどう感じるかなどは無関係で、枯枝などにおおわれていることもまた自然そのものの姿です。それはべつにかまわないのですが、人目に容易に触れる場所にあり、かつ人為的な要因で汚れているとすればじつに残念なことです。

写真の湧泉は鳥海山の二ツ沢周辺の湧泉のひとつですが、水量も「大」で温度も7.3℃とすばらしいものです。ところが直径1m余もある湧出点の泉が大量の枯枝と落葉でおおわれてしまい、ろくに水面が見えない状態になっていました。枯枝は自然に落花したものではなく、植林した杉の枝打ちされたものです。山仕事をする人たちももちろん湧水を利用することは少なくないと思いますが、その源泉にこの仕打ちはちょっとひどい。

ただ憤慨していてもしかたがありません。さいわい膝まである長靴をはいていたので水辺に降りて枝などをとりのぞいてきれいにしました。ただし極端にきれいにしてしまうと雨雪がじかに地面を打って周囲から土砂が流れ込んでしまうおそれがあるので、ほどほどにという具合です。この湧泉のまわりにはイワウチワの葉もたくさん見えていたので、他の花も交えて春先はさぞ美しいでしょうね。

 

 

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