打刻印

 

当工房では家具や木製小物に「製作者・製作年」を写真のような感じで入れています。工房名がオーツーなのでそのアルファベット表記のOと右下に小さい2、続いて西暦で年と月です。小物類で定番になっているものだと製作年のかわりに通し番号(シリアルナンバー)にしたり、両方を併記することもあります。変わったところでは記念品としてのご注文品に、贈り主や相手方の名前を、アルファベットに限られてしまいますが刻印することも。

元の数字やアルファベットは、機械類の製造番号などをしるすのに用いられていることが多い焼きの入った鋼鉄性の打刻印です。打刻印にはいろいろなサイズがありますが、当工房で使っているのは3、4、5mmのサイズ。1本ずつ順にハンマーで叩いてしるしていくのですが、微妙に傾いたり空きが不揃いになったりすることもあります。が、そこは「手作り品」の味ということで。ずれないように専用のホルダーにセットして、一度に打刻するやり方もあるようですが、量産品でもなければそこまでする必要はないと思っています。

ご注文で製作したものや、購入されてからそれほど時間が経っていなければどこの誰が作ったものか、どこの店で買ったものかは覚えていますが、年月が経ち、さらに代が替わったりすればそれも分からなくなってしまうでしょう。もしどこか痛んでしまい修理したいとか、お気に入りで追加でほしいと思っても、製作者などが不明では困ります。そのために製品のひとつひとつに打刻しているのですが、私はこの方法が自分でもたいへん気に入っています。

他の方法、たとえば真鍮のプレートを打ち付けたり、焼き印を押したり、あるいは最近ではレーザー照射で記したりといった方法があります。それぞれ一長一短だと思いますし好みの問題もあるでしょうが、打刻印は「目立ちすぎない」「そのつもりで見ればはっきり分かる」「何十年でも消えにくい」「低コストである」といった要素をすべて満たしています。他の木工房ではあまり見かけない方法である点も逆にいいかなと思っています。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA