先日(9/11)、鳥海山南西麓白井新田地区の横堰(よこぜき)という用水路を探索しました。約200年前に作られた農業・生活用水路で、流水のほとんどが湧水です。
この地区の湧水はだいたいが吉出山という大昔の溶岩流の末端に位置する湧泉からのもので、南西方向に流れています。横堰はその流れに対してほぼ直角に交わる形で北西方向に流れています。すなわち地形に沿って縦に流れる湧水を、等高線に沿って横向きに集め流れるのが横堰ということです。
主だった湧泉だけでも10カ所ほどあり、その湧水を集めながら、また水田や人家等に配水しながら、およそ3km近く林間をくねりながら流れる人工の水路です。大部分は素掘りで粘土や岩がむき出しになっているので、漠然と眺めていると「ああ、きれいな渓流だな」と思うかもしれませんが、自然にできた川ではありません。
今回はこの横堰を、西側の末端になる藤井公民館近くから、東側の最上流部にあたる胴腹ノ滝まで、水路沿いに7人で歩きました。ただし水路の点検管理のためにいちおうは歩けるようになっているというだけなので、薮になっていたり足下の凹凸が大きいところもあります。登山道や遊歩道ではありません。
この探索は、しらい自然館主催の「山形学」地域連携講座の今年度第3回目の活動でした。しかし、今回私は講師役をつとめたので、写真を撮るような余裕はありませんでした。掲載した写真は別の日のものです。
「横堰」への4件のフィードバック