きのうの朝日新聞に載っていた宝島社の見開き広告です。あまりにも有名な写真。文字は「いい国つくろう、何度でも。」の大きなメインコピー、社名の二つだけ。じつにすばらしく、かつ辛辣な広告です。
写真は1945年8月30日、輸送機ダグラスC54「バターン号」から降りてきたダグラス・マッカーサーです。『ライフ』のカール・マイダンスによる撮影ですが、大日本帝国が名実ともにアメリカ(連合国)に敗れ、新しい国としてスタートすることとなった日を象徴する写真です。
宝島社のこの広告は、もちろん東北大震災の地震・津波、ならびに福島第一原発の事故によってたいへんな打撃を受けている状況、そしてそれがいっこうに収束する気配もないままに政局や目先の損得勘定に明け暮れている状態に対する一流の皮肉も交えていると私は思います。1945年の夏がそうであったように、また明治維新がそうであったように、残念ながらわが国は自力でこの国難を乗り切るだけの力も決意も哲学もなく、またぞろ外部の力を借りなければいけないのでしょうか。