デワノタツナミソウ

 

たぶんシソ科タツナミソウ属のデワノタツナミソウ(Scutellaria  muramatsui)だと思いますが、自信はありません。タツナミソウは仲間が多く、識別は簡単ではありませんが、デワノタツナミソウは花弁の下唇に斑紋がないか、あってもごく目立たないのが他のタツナミソウと区別するポイントのようです。

近畿地方以北の日本海側に多く、草丈10〜20cm、湿った林地に生える多年草ですが、たしかにこの写真も湧水主体の渓流の畔で撮ったものです。樹木の陰がすでに色濃く指していて半日陰のところに咲いていました。この箇所では30株ばかりまとまって咲いていて見事でしたが、他はせいぜい数株程度で、個体数はそれほど多いわけではないと感じます。

植物の専門家ではなくとも、草木の花が咲いていてそのうちの何割かの名前が分かるだけでも、山を歩く楽しみが倍加します。花を通して自然の仕組みや不思議もすこし理解できるように思います。もっともいくらか知識がそなわってくると、それまでは漠然と眺めていたものの区別や差異も目につくので、かえって混乱し悩むことも多いです。知るということはまさに「何を知らないか」をはっきりと認識すること。自然は知れば知るほど、知ったこと以上の無知の領域が増えます。終わりはありません。

私の場合ですが、当地(鳥海山およびその周辺)に生息するシダ以上の「高等植物」1700〜1800種のうち、およそ四分の一程度しか見分けることができていません。まだまだですね。

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