ひな壇

ひな飾りの棚です。ずっと昔にお客様が買い求められた雛人形と、それを飾るためのスチール製の7段の雛壇があったのですが、人形本体以外の付属物とスチール棚は廃棄処分することになりました。そして木製5段の雛壇に作り替えたのが上の写真です。人形はとりあえずの仮置きです。材料は貫だけはクルミで、他はすべてスギ。サイズは幅1180mm、奥行き840mm、高さ825mmです。

雛人形は一年のごく短い期間しか飾りませんので、新たに木製の雛壇に作り替えるにあたり、いくつかの条件がありました。それは、1)女性一人でも組立と分解が簡単にできる、2)できるだけ軽くコンパクトにする、3)ぐらついたりせず長く使えるだけの強度、4)布で隠れるとはいえ見栄えもそれなりに、5)値段はあまり高くならないように、といったものです。けっこう難問といっていいと思います。

1)については部品数を少なくすることと、その部品が何でどこに使うのかが一目で分かるようにしました。具体的には階段状の側板2枚、それを通しホゾ+くさびで固定する貫3本、通常より大きめのくさび6本、蛇腹式に一体化した棚板&蹴込板が2組、という構成です。結果、棚板をのせなくてもしっかりと自立するだけの強度が得られました。ぐらつきはまったくありません。右の写真は工房で撮影した、布をかぶせる前の雛壇です。棚板と蹴込板とはステンレスの長蝶番で連結しています。はじめは5段計10枚の板をすべてつないで一体にしたのですが、女性が一人でセットするにはやや重いかなと思ったので、上2段分と下3段分とに分割しました。

構想が決まるまでわりあい頭を悩ましたのですが、完成して納品し、雛人形を飾ったところ、お客様にはたいへん喜んでいただきました。人形だけのほうが他の付属品がごちゃごちゃあるより品がありますし、すっきりしていいですね。部屋の雰囲気にも合っていると思います。

ところが、です。こうして人形も仮置し笑顔で眺めていたら大きな地震が! そうです、3月11日午後2時46分に発生したマグニチュード 9.0の東日本大地震です。かなり強く長い時間揺れましたが、酒田では震度4強で、人命・建物・その他にも大きな被害はありませんでした。しかしながらその後の太平洋側での津波や福島の原発事故はみなさんご存知のとおりです。とくに原発については予断を許さない、きわめて逼迫した状況にいま現在(3/18夜)もあります。

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