オオヤマフスマ

 

もう30年くらい前にはなるかと思いますが、庄内砂丘で遊佐町と酒田市の境界線あたりにある鳥海南工業団地は、いまだに3分の1くらいが空いたままになっています。平野部に抜ける道路の北側一帯もついこの間まで空き地のままだったように記憶していましたが、先日その道を通りかかったら一面に太陽光発電のパネルが並べられていて驚きました。

じつはこの部分の空き地は開発されないままに自然発生の雑木林になっていたので、人工林である松林がたとえ枯れても、ひとりでに潜在植生に近い雑木林になってしまう例として注目していました。今回、太陽光発電を設置するにあたって全面的に伐採してしまったようですが、どういう植物が生えているかを事前に綿密に調べたりは、まあしてないでしょうね。裸地→自然林の貴重なデータになったはずなんですけどね。

それでまだ空き地になったままのところに踏み入ってすこしだけですが植生を調べてみました。クロマツは点々と生えていますが、それ以外にもカシワやニセアカシア、コナラなどがあり、フジの花が真っ盛りでした。草本としては目についたのが写真のオオヤマフスマの群落です。ナデシコ科オオヤマフスマ属の多年草ですが(Moehringia  laterihlora)、「山地に生える」といってももっと海に近い砂浜のすぐ近くにも生えています(この場所ではない)。しかしこれほど密な群落は私ははじめて見ました。花の径は1cm強ほどですが、やわらかい緑の葉と真っ白な星のような花がじつにすてきです。他にはブタナ、カワラアカザ、ハマエンドウといったところ。あまり多くはありません。

以前に調べたときは希少なイヌハギのほか、コマツナギ、ナミキソウ、カワラケツメイ、ウンラン、カワラハハコ、ハマダイコンなどの花がありました。一度は皆伐され地ならしされてまったく裸になった土地ですが、自然はなかなかたくましいです。

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