しかたなく三月まである古暦
新年は1月からなのか4月からなのか? 暦的にはむろん1月からなのだが、学校をはじめ公的機関や団体・企業によっては年度は4月からというところも多い。したがって2016年の1月2月頃に「去年は〜」と言ってもそれは2015年の1〜12月のことを意味してるのか、2014年4月〜2015年3月のことを意味しているのか判然としない。うっかりすると1年近くも誤差が出てしまうので、「それは年のことか? それとも年度のことか?」と確認する必要がある。/それに加えて元号(年号)である。ふだん昭和△年、平成□年という表記を使う習慣がない私は、元号での表示を求められるたびにちょっと不安になる。実際ときどき間違うことがあって、相手から訂正されてしまう。どうして西暦に一本化しないのか。天皇制に連なる元号表記もだいじだと言うなら、せめて西暦と併記するようにしてもらいたい。/明治・大正・昭和・平成ならばまだいいが、それ以前の頻繁に元号が変わっていた時代のできごとを元号のみの記載で書かれても、素人にはまったくいつのことやら見当もつかない。歴史学者なら西暦の併記なしでもすぐにいつ頃の時代か即座に頭にうかぶんだろうか?
新聞の活字小さく雛飾
私は子供の頃に男の兄弟しかいなかったこともあって、家にお雛様をかざったことはない。女の子がいる親戚もあったのだが、やや遠方であったこともあってか雛飾りの記憶はとくにない。しかし大人になってから、仕事がらみでたまに雛飾りに遭遇し、準備や片付けを手伝ったりしたことはある。/その際に雛や諸々の道具を包んだ布の緩衝材として何十年も前の新聞紙が出てくることがある。驚くのは記事の内容よりもまず活字の小ささである。現在の一般的な新聞に比べると本文の字の大きさは面積的には半分もないのではなかろうか。まるで国語辞典でも開いているみたいだ。/テレビがまだない時代では新聞または雑誌はほとんど唯一の情報源であったから、限られた紙幅に目一杯の文字を入れこんだということなのだろうか。ちょっと目のわるい人は読むのがつらそうな気がするのだが。
思案しつつロボット掃除機働けり
ロボット掃除機といえばなんといっても米国のアイロボット社の「ルンバ」が有名である。知人でも何人かがこれを自宅で使っている。しかしアイロボット社は元々はというか今でも本業は軍事ロボットの開発であって、ルンバはその地雷探知用ロボット等の機能を部分的に民生用に活かしたもの。つまり掃除機が売れれば売れるほどロボット兵器も売れるということなんだろう(そう単純な話ではないかもしれないにせよ)。そう思うとわが家では絶対に導入することはないだろうな。マキタの充電式のハンディな掃除機で足りてるし。/ついでに同類のロボット掃除機を調べてみると、1万円もしないものから業務用とおぼしき20万以上もするものまでたくさんの種類とタイプがあり、内外の各メーカーがしのぎを削っているようである。なんでも「ほしい家電」かつ「買ってよかった家電」で大型液晶テレビと並んでトップであるそうな。
(※ 写真は鳥海山の西側裾にあたる三崎海岸。約3000年前に猿穴火口から流れ出した溶岩流だが、日本海に面し強風がまともにあたるためか、樹木も剪定したように頭がきれいにそろっている。)