旋盤で製作中の蓋物いくつか

 

旋盤(木工用ろくろ)を使って、蓋物をいくつか製作中です。10月の個展用と、一部は注文品です。材料は黒柿、トチ縮杢+スポルト、イタヤカエデ縮杢、オニグルミ変杢(鶉杢)です。旋盤での加工は基本的に点対称の丸いものが中心になるのですが、今回は実+被蓋の器で、板厚と樹種によって蓋の形状などはいろいろ変化をつけています。ふっくらした蓋も、平らな蓋も、逆にすこし凹んでいる蓋も、それぞれに味わいがあります。大きさは直径10〜12cmほど。

旋盤加工は当工房では割合的には1割にも満たないことと、たまに行う程度なので、今回も細かい勘所を最初はすっかり忘れてしまっていました。高速回転する材料に、手持ちの刃物(バイト)を当てて削るので、加工は比較的はやくできるのですが、かなり危険も伴います。機械自体も本職用ではないマニア向けの、精度と剛性のあまりよくないものであることも一因なのですが、うっかりすると旋盤にセットした材料が不意に外れたり、最悪の場合は衝撃で刃物や破片が飛んで来ることもないとはいえません。

そのため細心の注意と、防護のためのフェイスガードは必ず装着して作業をします。切れない刃物だと手によけいな力が入ってかえってあぶないので、すこしでも切れ味が鈍くなったらすぐに研ぐようにします。1個の蓋物を削るのに10回くらいは研いでいますかね。ただ、刃物は高速度鋼=HSSなので、両頭グラインダーですばやく研ぐことができます。

下の写真は基本成形と120番までのペーパー掛けが終わったところです。これで約半数。まだ表面がざらついた状態での素木なので、曇った感じになっていて杢のようすはこの写真ではよくわかりません。旋盤を使わない非丸形のくり物に比べると、同じくらいの大きさの蓋物であっても、やはり半分ほどの手間で加工できます。

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