雪の粘性

 

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工房のトタン屋根に積もった雪が、気温がすこしゆるむにつれてずり下がり、軒先に垂れています。これは長さ1m弱ですが、過去最大では2m近くに達し、もうすこしで地面に届くかと思われたことさえあります。

雪の量が多くも少なくもなく、適度に湿り雪で、気温も0℃をわずかに上回る程度、風は弱い、といった諸条件がそろわないとこういう光景にはなりません。通常は一気に雪崩れ落ちるか、軒先から20〜30cm突き出たくらいで自重で折れて落ちてしまいます。

トタン屋根に接した最下部はすこしだけ氷結していますが、それより上は雪です。一日中完全に気温が零下というわけではないので、さらさらとはいいがたい雪がかろうじて氷の層にくっついたままになっているのですが、氷や雪がこんなにも粘っこいとは驚きです。硬く不動のものとみなされがちな地層・岩石も、何十万年〜何億年も時間をかけて圧力を加え続けると、飴のように屈曲するわけですが、この軒先の下垂する氷雪もそのミニ版といえるかもしれません。

 

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