ペーパーウェイトの再塗装

 

ペーパーウェイトDの塗装の補修をしました。前回7月末頃に発売したものも含め10本ほど再塗装です。展示会などに製品を出すと、皆さんからみな注意深く扱っていただけるとは限りませんので、どうしても細かな擦り傷や当て傷などがついてしまいます。爪や指輪やブレスレットや時計なども要注意です。ペーパーウェイトDは鏡面塗装しているので、よけいその傷が目立ちます。

もちろん通常はそれほど酷い傷ではありませんし、ほとんどは実際にお客様からお買い上げいただいた場合でも数日でそうなってしまう程度の小さな傷ですが、製作者としては、あるいは販売する側としてはとても気になります。

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一部だけの塗り直しだと新旧で色艶に差が出てかえってよくない場合があるので、大丈夫なところも含めて前の塗装をほとんど全部落としてしまいます。それからあらためてサンディングして木地を整えます。たいていは180番のサンディングペーパーから始めて、これが全面にかかったら一度水引き(雑巾で材面を湿らせます)。サンディングの研粒等による圧迫傷をもどすためです。

それが乾いたら次は240番→320番と、だんだん細かいペーパーで研磨していきます。ただ、細かければ細かいほどいいかというとそうではありません。600番とか1000番とかで研いでしまうと木地が滑らかすぎて塗料がうまく乗りません。塗料が木地にしっかりと馴染むためには適度な粗面・凹凸が必要で、それを「足を付ける」といいます。塗料がしがみつく足場がないとという意味です。

写真は320番の研磨をだいたい終えたペーパーウェイトとサンディングペーパーを巻き付けた「当てゴム」です。この当てゴムは六つ切り用で、A4サイズほどのシートペーパー1枚を3つに切って使用します。ペーパーは巻く位置をずらすと2回は使えるので3×2=6で六つ切りというわけです。ほんとうは320番で研磨すべきところを間違って180番で研磨してしてしまうと元のの木阿弥となってしまうので、当てゴムにもペーパーのほうにも粒度の番数をかならず記入しておきます。

サンディングはアマチュアでも簡単にできる容易な作業と思われがちですが、とんでもありません。きれいにかつ効率よくサンディングするには相当な経験と工夫が必要です。

 

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