コーヒーブレーク 67 「ブリーチ」

 

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涙ぬぐい姿ととのえ初日の出

2016年となりました。とりあえずですが皆様新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。/私は初詣などにはとくに興味関心もないので、大晦日だから元旦だからといって特別なことは何もないが、それでも来し方行く末を思案することはある。ほんとうに酷い世の中になってきたなという感じがする。日本はすでに政治的のみならず経済的にも科学技術的にも三流国に転げ落ちてしまったのではなかろうか。いや以前の隆盛もたんなるメッキであったかもしれないが。

初晴のブリーチする鯨の胸びれ

クジラを実際にこの目で見たことはじつは一度もない。イルカを水族館で眺めたことがある程度だが、あれですらかなりのボリュームと存在感を覚えるので、20〜30mもある大きなクジラを目にしたら圧倒されるであろうことは容易に想像できる。/クジラは現存する動物では最大級の哺乳類で、その中でもシロナガスクジラは体長25m、体重はなんと100〜120トンにもなるという。比較的小さいセミクジラでも体長17m体重50〜60トンというから、それくらいの巨体が水面から半身を大きく飛び出させてジャンプする光景は壮観だろう。ちなみにそのブリーチの跡には古い表皮や寄生虫などが剥がれ落ちて、それを求めてカモメなどが群れ集まってくるという。

ハムスターのお家をのぞき嫁が君

秋田市の大森山動物園にときおり出かける。「動物ふれあいタイム」だかのサービスもあり、ウサギやニワトリやハムスターなどに直接触ることができる場合もある。大勢の人間に取り囲まれて、動物にとっては迷惑この上ないような気もするが、むこうも案外慣れていて、鳴いたり暴れたりすることはない。たしか2年前だと思うが、蛇を生まれて初めて手に持ったことがある。こうした催しもの用に(?)動物園で飼育している大きなアオダイショウで、1m半はある蛇を両手にささげ持ってみたり首にかけてもらったりした。夏だったが変温動物のアオダイショウはすこしひんやりとして乾いた滑らかな感触だった。/ただしこういう体験ができるのも動物園の、人になれた蛇だからであって、野生状態の蛇はたとえ毒のない蛇であっても不用意に手を出すと噛まれることがあるので止めたほうがいいとのことである。/句中の「嫁が君」は正月三が日にネズミを呼ぶときの忌み名であり、正月の季語。地方によって嫁御や嫁御前・嫁女などとも呼ばれる。それくらいかつては生活周辺にネズミが出没していたという証拠でもあるが、当然ながらネズミには雄もいるはずなのになぜか忌み名はみな女の名前ですね。

 

(※ 写真は昨年12月上旬の鳥海山。正面の大きな山は俗に「西鳥海」と呼ばれる笙ケ岳=1635m。その右奥の白いドームは鍋森で、この陰に鳥海湖がある。)

 

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