カエデ杢板 その1

写真の材料は幅340~420mm、長さは2.2mのイタヤカエデの杢板ですが、厚みが85~100mmあるので、板というよりは盤。裏と表、全面に縮みが入っていますが、一部分(写真上部)に鳥眼杢みたいな変わった紋様もあります。とくに柾目に挽くとそれがよく現れます。北米産のバーズアイメープルは丸い小さな斑紋がもっとたくさん散在していますが、日本のカエデ類でそれと同じくらいの杢の材料はありますかね?

カエデは硬く緻密な材料で好きな木ですが、薄板にすると狂いが出やすいとも感じています。したがって指物などの細かな細工にはあまり向いていないかもしれません。塊のままに旋盤でひいたり手で彫ったりがいいでしょうか。

このブログでは手持ちのちょっと変わった材料をときどき紹介していますが、そういう銘木というか杢の入った材料がいつも「最高」ということではありません。ごく普通の素直な木目の材料もいいものです。要するに適材適所なわけで、座卓とか戸棚とかのサイズの大きな家具に全面玉杢などというのは、私は「うへぇ〜」という感じで好きではありません。そういう使い方はせっかくの貴重な材料なのに逆にもったいないと思ってしまいます。反対に手に載るくらいの小さなサイズの品物には、とびきり目の詰んだ細かい杢の材料が似合うでしょうね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA