上の写真は当工房で使用している小鉋で、左の鉋が今回新調した平鉋(ひらがんな)です。小山金属工業所の「兼友」(かねとも)という銘の鉋で、刃の幅は36mmですが、実際に削れる最大幅は30mmくらい。中央の鉋は同じ銘の「兼友」ですが、昨年5月に購入したもので、こんどの鉋より二まわり大きいサイズの刃幅48mmです。まだそれほど使い込んでいませんが、よく切れる上等な鉋です。
いちばん右の鉋はもう30年近くも使用している刃幅30mmの鉋ですが、じつは今回36mmの鉋を仕入れたのはこの30mmの鉋の代替という意味もあります。片手に入るような小型で軽い鉋は、ちょっとした面取りなどをしたり、材料の試し削りをしたりするのに欠かせない道具だからです。
30mmの鉋はもともとが道具屋さんの棚の片隅で埃をかぶっていたもので、いつどこで作ったのか売っているほうでさえ皆目わからないという状態でした。そのためもあってたしか1500円で他の道具のおまけ的に買ったと思います。作りはあまりよくなくて、刃の厚さも左右で見るからに異なっており、裏刃も鉄板をただ折り曲げたような感じのものです。それでも切れ味はまずまずだったので、長く使い込んできて相当ちびてきました。刃の長さはまだ残っているのですが、研ぎづらくなってきたのと、「兼友」の48mmを使うようになってからは、やはり今一感がだいぶつのってきました。
家具と同様に、木工の道具もサイズがいくらか小さくとも作る手間はほとんど変わらないので、今回の36mm小鉋も定価では1万円をちょっと超えます。寸六の普通の大きな鉋(表示サイズは65mm)でも、安価なものなら買えるような値段です。