雪国の人にとっては以下述べることは常識的なことだと思います。が、しょっちゅう雪かきに悩まされている地域というのは日本全体からみれば少数派だと思うので、まあ話のたねにでもしていただければ幸いです。
1枚目の写真は、工房の作業場の屋根から落下した雪の山です。高さは1mくらいで、気温がゆるんでまた凍結したために、半分氷化した塊です。これを除去する方法はいくつかあるのですが、今回はスノーカート(スノーダンプとよく呼ばれていますが、それは商品名)を使用しています。まずスノーカートの荷台の大きさに合わせて、スチールの角スコップで雪の山に3方に切れ目を入れます。幅60cm、奥行70cmくらい。アルミやプラスチックのスコップでは無理です。
次にその底になるあたりにスノーカートを軽く蹴って水平に差し込みます。奥まで入ったら、カートのハンドルを「上に」すこし持ち上げると、切れ目を入れたところからきれいに雪が分離します。カートのハンドルを下に押し下げて、先端を上げて雪塊を分離するのは御法度です。密度にもよりますが雪塊の重量は50kgはあるので、腕力も必要だし、カートが壊れてしまう恐れが大です。
2枚目の写真はカートにすくい取った雪の塊で、1回目はこの程度ですが、2回目はもっと大きな立方体のブロック状の塊になるはずです。とても手で持てるような重さではありませんが、ポリカーボネート製の荷台は雪の上では非常に滑りがいいので、わりあい楽にこのまま雪捨場の河川などに推して行くことができます。スコップで10回以上切り崩す量をこうして一度に切り取り移動できるので、たいへん効率的です。
写真のスノーカートには鉄パイプの側面湾曲部にアルミのコの字形の補強材を自分で取り付けています。これをしておかないと、大量の重い雪を上記のように切り取り運搬することはまず不可能です。一度曲がってしまったパイプはもろくなってしまい元にはもどりませんから。