庄内町のリフォーム工事です。今回は私は設計と現場管理が主な任務なのですが、実作としては内部の木製建具5枚と、ダイニングの12尺幅吊棚&棚板、洗面脱衣室の小物収納戸棚、それに鏡2台を作ります。上の写真2枚は、木製建具の木取と一次下拵えを終えて養生をしているところです(機械の上やフローリング材の梱包の上に置いているのは撮影等の都合による一時的なものです)。
材料は北米の針葉樹のスプルスで、素材厚は38mm。これを最終的に33mm厚の建具に仕上げます。材料は建具用の特選材で柾目の乾燥材なのでもともと狂いはすくないものですが、それでも一気に最終の33mmまで削ってしまうと内部応力の影響でひずみが出る可能性が高いので、はじめは36mmの厚さに削るのにとどめ、しばらく養生します。すなわちよけいな荷重がかからないように写真のように一枚ずつ木端立てにし、風が通るようにそれぞれ隙間を設けて1週間は置いておきます。これを当工房では「一次下拵(いちじしたごしらえ)」と呼んでいます。
38mm厚さのものを36mmにする段階で、手押鉋盤と自動鉋盤を通しているので、ほぼ真っ平らでまっすぐな材料になっているはずですが、もしこの段階で36mmが全面にうまくかからない場合は、その後もだめな可能性が高いので、その分は木取をやり直すことがあります。さいわい今回は全部オーケーのようです。
養生している間にまた1〜1.5mm程度のひずみが出るものもあるかもしれませんが、それをまた一次下拵と同様に手押鉋盤と自動鉋盤を通して33mm厚ならびにそれぞれの所定の幅に仕上げます。おそらくこの二次下拵で下拵完了となるかと予想できますが、万一無理な場合は再度養生し三次下拵とします。このようにすこしずつ段階を踏んで養生の時間をみながら材料を仕上げていくのですが、建具材にかぎらず家具材全般にも必須の作業です。