駒止用駒製作の治具

 

座卓や机やテーブルなどにおいて、脚部と甲板(一般には天板と呼ばれることが多いのですが正しくは甲板=こうはん、こうばん)を接合する方法はいろいろあります。吸付桟・ホゾ組・寄蟻・釘止・木ネジ止・駒止などですが、当工房では駒止(こまどめ)とする比率がわりあい高いです。表からは接合箇所が見えませんし、確実に強固に甲板と脚部を締結することができるからです。

駒は本来は小さな角状木片のことをいうのですが、これを介して甲板と脚部を接合する場合、いまでは木片ではなくL形の専用金具を用いることのほうが普通になっています。無垢の木材は繊維方向の縦と横とで収縮程度が大きく異なるため、それに対応した2種類の駒止金具を使いわけます。ただ私が知るかぎりでは市販の既製品では鉄製が多く、安価ですがサビの心配があります。

しかし当工房で駒止を行う場合は、そうした市販の金具ではなく自家製の木製の駒を使います。長さ8cmほどの角材ですが、片方の木口側にホゾを作ってあり、これを脚部の幕板のホゾ穴に差し込みます。駒と甲板とはステンレスの木ネジで2カ所ずつ止めるのですが、金属面が見えないように後から埋木します。写真上の右側にあるものがその駒です。加工の手間と取り付けの手間を考えると、市販の駒に比べてずっとコストは高くなりますが、見た目と耐久性は上がるでしょう。

写真上の左に写っている赤いレバーが付いている工具(トグルクランプ)と台は、その駒のホゾを加工するための治具です。ホゾ取りは昇降盤に付随するホゾ取りの丸ノコで行うのですが、長さ8cmしかない駒を直に手に持ってそれをするのはきわめて危険。したがって安全に確実に正確に駒のホゾ取りを行うための自家製の治具です。下の写真がこの治具を使って駒のホゾ取りをしているところです。

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