※※ タイトルの入力が先日来うまくいかないので(ブログソフトのバグ?)、とうぶん「タイトルなし」とし、本文冒頭に見出しをすこし大きく付けることで代用します。
昇降盤で溝突
家具や建具の部材にガラス・鏡板などをはめ込むための溝をつける方法はいろいろありますが、溝の幅と深さが小さい場合は昇降機能付の丸鋸盤=昇降盤を使うのが便利です。ただし溝を片方の端からもう片方の端まで貫通させる場合ならまだしも、溝を部材の途中から入れて途中で止めるのはなかなか難しいことです(引戸や扉の縦框などはみなその必要があるのですが)。
部材の片方の木口が宙に浮いた状態で回転している丸ノコの刃に接するわけですから、よほど注意しないと材料がはじき飛ばされたり作業者が大怪我をする可能性さえあります。したがって以下に述べる方法は機械の操作に習熟した人のみを対象にするもので、素人や駆け出しの職人が真似してはいけません。
加工する部材は両手で保持するのですが、丸ノコの刃の出の位置から定盤の手前端までの長さより部材が長く、しっかりと手で支えられるだけの長さがまず必要です。それより短い場合は右手も左手も不安定な状態で材料を支えることになるので、そのままではたいへん危険です。しかしながら長さ30cm、40cmといった扉は家具にはつきものなわけで、これを昇降盤で溝突するには一工夫しないといけません。下の写真がそれです。
昇降盤の刃口板から鋸刃がすこし出ていますね。径305mmの100枚刃です。その脇に貼った黄色いマスキングテープに描いたにょろにょろは「ここからここまで刃が出てますよ」という印です。写真の右側または上方の、縦に短い棒をビス止めしてある白っぽい横置きの角材が扉の縦框で、長さ約45cm。これの途中に鏡板がはまる長さ30cmくらいの溝を突こうとしているところです。縦の棒は短い框材を確実に保持するためのもので、もともと縦框は仮組などの関係で通常でも仕上長さより両側を3〜4cm延ばしていますので、そこを利用して両端にビス止めしているわけです。
この例では溝の幅は7mmで深さ5.5mmです。この程度の浅い溝なら上記のような工夫をすることで、トリマーなどで溝を突くよりはるかに早くきれいに加工することができます。もちろん言うまでもないことですが刃は最高度に切れ味のいい刃でないと切削抵抗が大きいので逆に危険です。また深さ15mm以上もあるような深い溝はこの方法でやってもなお危険度が高いのでやめましょう(→ものすごく面倒ですが、トリマーやルーターですこしづつ何度も何度も掘り込んでいくしかありません)。