遊佐町内の某宅の階段です。勝手口が実質的な玄関になっているのですが、既存のコンクリート製の段は高さ22cmあります。階段としてはすこし高めですし、足腰の具合がわるい奥様にとってはかなりきつい状況。それで段差を半分にして段数も倍に増やしました。踏み代が34cm段差が11cmという、たいへんゆるやかな階段です。これであれば誰にとっても上り下りが非常に楽ですし安全です。写真には写っていませんが階段にそって上のほうに横向きの手すり、引き戸をあけたすぐの柱面に縦向きの手すりも設置しました。
材料はすべてスギの無垢板です。踏板は厚み28mm、それを支える箱状の蹴込板と側板は22mmです。コンクリートの段と土間はかなり不陸(水平でない歪んだ平面のこと)があるため、蹴込板と側板の下端をそれに合わせて一枚ずつクセ取りをしています。さらにがたがたしたりずれたりしないように箱の内側とコンクリート面とを、厚いL型金具+ステンレスの木ネジ&コンクリート用ビスでがっちり固定しています。水平・垂直が出ていないところに正確に水平・垂直の構造物を新たに取り付けるのはなかなかたいへんですが、まあそれが腕の見せ所ですね。
踏板には滑り止め用にそれぞれクルミの桟を埋め込みしています。仕上げはポリウレタン塗料の2回塗りですが、必然的に現場塗装となるので、これも自分の工房内で塗装するのとくらべるといろいろとやっかいではあります。