山形県遊佐町内の某宅で、トイレの改装工事中です。和式の便器を洋式に替えるというのが基本プランですが、当工房は下職として木工部分とそれの塗装を主に担当。
壁のタイル張りはそのまま残すので、床部分のタイルのみ撤去してかわりにヒノキ材の大引と根太を取り付け、12mm耐水合板を貼り、壁と床との境界に見切縁を取り付けます。大工仕事の本来の手順とは異なる点がいろいろあり、セオリーどおりにはいかず臨機応変の工夫・機転が必要とされるのがリフォーム工事です。新築などに比べて手間がかかるわりには仕上がりはきれいにはいかないことも多く、正直なところそれほどお金にもならないことがしばしばですが、そんなぜいたくなことは言ってられませんね。
床仕上げはいわゆるクッションフロアですが、その前に見切縁に現場塗装を2回ほどこします。塗装面積はわずかですが、塗料や道具を一式全部持ってこないといけないし、塗装と塗装との間に一定の乾燥時間と研磨作業をもうけないといけないのは同じです。
また壁にL型の手すりを付けるのですが、タイルに直に取り付けたのでは強度的にかなり不安があります。下地のメラ板+防水紙+ラス網+モルタル+タイルと全部合わせても20mm程度しかなく、そこに荷重が集中したのでは危ないでしょう。そこでまず間柱くらいのサイズのクルミ材の丈夫な板を2枚、太めで長いコンクリート用ビスを多数用いて壁にべた付けし、手すりはそのクルミ材に効かせるようにしました。手すり用の標準の木ネジは4mm径・長さ40mmですが、それでは先端がタイル面に当たってしまうので、長さを30mmに変え、そのかわりに径5mmの木ネジに変更しました。
写真は手すりを付け終わった状態です。見た目にちょっとごつい感じですが、強度=安全性優先です。あとは水道屋さんが洋式便器を取り付ければリフォーム工事終了となります。