今回の住宅では私と妻と子どもの3部屋のそれぞれの壁一面に本棚が作り付けとなります。幅3.2m、高さ2.4mの南側の壁がすべて本棚で、これは一般的な市販の本棚(幅80cm高さ160〜180cmが多い)の約5倍半〜6倍くらいの容量ということになります。奥行は材料の関係もあって30cmなので置けるものは限られるものの、むろん本でもなんでも収納できます。
その本棚の材料が人工乾燥されたスギ板です。厚みは24mm幅は210mmです。部屋ができてから現場で一から加工では時間がかかりすぎるので、工房で基本的な加工と組立を行っておき、それを部屋に搬入して連結し仕上げます。搬入は窓から入れるしかないのでそのことも考慮して単体の箱の幅は80cmとし、それを横に4台並べて一体化します。
写真はその横方向の天板と地板と棚板を木取りしているところです。横方向の部材だけで162枚と大量で、しかも大半は節の多い材料なので、木取もなかなかたいへん。長さ4mの素材から棚板なら5枚取れる計算ですが、大きな節などが端にきてはまずいので、それらをうまくよけながらの木取です。木端の通りを直線に削り直し、3枚矧合わせてから後で縦に2分割します。単純計算では210×3÷2=315mmですが、削り代や切り代をのぞくと300mmくらいが無難なところでしょう。
切断はスライド丸ノコで行うので、最初のセッティングはめんどうですが、以降は速くて正確です。もう1台新品のマキタのスライド丸ノコもあるのですが、写真に写っているのは20数年前の日立工機の機械(両方とも刃径は216mm)。テーブルは回転しない角度固定式ですが、このようにただ直角に切るだけの加工なら充分です。